佐野理事長ブログ カーブ

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第360回 忙酔敬語 統計はどこまで信じられるか

「『梅ちゃん先生』を見たことがありますか?」
腰痛持ちの妊婦さんは首を横にふりました。当院近辺の方々はNHKの朝ドラをあまり見ていないようです。なぜそんな質問をしたのかというと、鎮痛薬のアセトアミノフェン(カロナール)がいかに古くて安全な薬であるかを説明したかったからです。世良公則さん演ずるあやしげな町医者が「アセトアミノフェンを回してくれないかな」と大学病院に勤める梅ちゃん先生に頼むシーンがありました。時代は昭和30年代の初期です。
アセトアミノフェンは半世紀以上も前から使われている薬で(発見されたのは100年以上も前)、これまで有害事象はほとんどありません。しかしながら「梅ちゃん先生」が放映されたのはすでに6年も前で、たとえが古かったし間が抜けていた。患者さんはもちろん横にいたスタッフも首を傾げました。
TV視聴率は新聞や地域によって異なります。
11月26日~12月2日を例に取ると、讀賣新聞による関東地区は以下のとおりです。
①まんぷく(NHK)                 22.1%
②笑点(日テレ) 20.0%
③M-1グランプリ2018(朝日) 17.8%
④サンデーモーニング(TBS) 16.0%
⑤サザエさん(フジ) 15.2%
⑥相棒(朝日) 15.1%
⑦真相報道バンキシャ! 14.7%
⑧日テレ系音楽の祭典ベストアーティスト2018(日テレ) 14.6%
⑨人生の楽園(朝日)                 14.3%
⑩リーガルⅤ~元弁護士・小鳥遊翔子~(朝日) 14.2%
朝日新聞がビデオリサーチの視聴率日報〈札幌地区〉をもとに作成したデーターは、
①笑点(STV) 19.7%
②サンデーモーニング(HBC) 19.3%
③M-1グランプリ(HTV) 18.6%
④真相放送バンキシャ!(STV) 18.4%
⑤日テレ系音楽の祭典ベストアーティスト(STV) 18.0%
⑥グルグルナインティナイン(STV) 17.6%
⑦プレバト!!(HBC) 17.3%
⑧満点・青空レストラン(STV) 17.0%
⑨どさんこワイド179(STV) 16.8%
⑩世界一受けたい授業(STV) 16.6%
ちなみにNHK朝ドラ「まんぷく」は16位で15.4%。
かように視聴率一つとっても地域によってかなり温度差があります。
ある性感染症の大家が、札幌のとある産婦人科病院のクラミジアのデーターをフランス全体のデーターと比較し、日本はフランスと比べてウンヌンカンヌンと論じていましたが、実にナンセンスだなあと思ったことでした。