本来は札沼線と言われていた路線です。札幌と沼田の間をつなぐので札沼線。しかし、沼田からの利用客が減るにおよんで終点は「新十津川」となりました。それでも「新十津川」と「北海道医療大学」との間も採算が取れず廃線寸前です。「北海道医療大学」の他に路線には「あいの里教育大」があるので「学園都市線」と言われるようになりました。
私は札沼線の車窓からの風景が好きで、ただそれだけのために乗車したことが2回あります。今の時期は、樹木の鮮やかな新緑や広々した畑やタンポポの黄色がまぶしく、鉄道ファンにはお勧めです。
最近は当院から「太平」駅まで歩いて20分ほどで、しかも本数が意外に多いことを知り、土曜日は午前の外来が終了すると、無人駅「太平」から乗車して札幌市街へ出かけるようになりました。今まで気づかなかった、うかつでした。
「太平」からは高架線となり、札幌市街が一望に見渡せるようになります。次は屯田防風林を越えて「新琴似」。私が徒歩で通勤しているコースのすぐ上方を走り抜けます。西の方には手稲山を中心としたパノラマが開けるようになり、東にはJRタワーなどの札幌中心街が見えてきます。
そして「新川」、「八軒」。「八軒」あたりで三角山、そして藻岩山を見ながら東にカーブして「桑園」で函館本線と合流し、終点「札幌」に到着。料金は230円。東京あたりのJRの料金よりは割高ですが、地下鉄「麻生」-「札幌」の250円よりはお得です。
最近は札幌駅に大丸百貨店が隣接され、さらに地下道で紀伊國屋書店まで行けるので大抵の用はここで済ますことができるようになりました。そのため、三越を中心とした南1条西3丁目界隈にやや陰りがみえるようになり、とうとう北海道の老舗百貨店丸井今井は三越に吸収合併されてしまいました。
それでもその界隈に用事があれば、「札幌駅前地下歩行空間」を歩いて10分ほどで着きます。「もう、歩くのはイヤだ」と言うのなら地下鉄南北線1駅で「大通」に着きます。 実は私、この「札幌駅前地下歩行空間」が嫌いです。天井が低くて圧迫される感じがするからです。この地下歩道を利用した1㎞、3㎞、8㎞のウォーキングコースがあるそうですが、閉所恐怖症の人には向かないでしょう。
しかし、雪や雨をしのげる上、煩雑な信号がないため地上を歩く人は少なくなり、札幌駅前通りに店舗を構えていた店はかなりの打撃を受けたようです。そう言えば、昔、大通からすすき野まで「ポールタウン」なる地下街ができ、狸小路の商店の売り上げが減少しました。「ポールタウン」ができれば狸小路で地上に上がる人が増えるからと甘い言葉にそそのかされて寄付金を取られたあげくの結果で踏んだり蹴ったりだったようです。
会議で北海道医師会館(大通西6丁目)や札幌医師会館(大通西19丁目)に行くとき、よくタクシーを利用していましたが、冬場で道が混むときはJR学園都市線と地下鉄で行った方が確実で安価です。それに適度な運動になってさらによろしい。
ただし猛吹雪の時のJRはダメです。ときどき当別あたりで大雪にみまわれて、遅れたり不通になったりするので当てになりません。当院からだったらタクシーで地下鉄麻生駅か地下鉄栄町に行った方が無難です。
とにかく、これからは列車の運行状況を確認してJR「太平」駅を利用するつもりです。
第277回 忙酔敬語 JR学園都市線