昨年の雪の降り始めは早かった。しかし、スパイク附きの防寒靴で歩き回るほどではないと思い、行きつけのスニーカー専門店に行って、「ちょっとした雪でも滑らないスニーカーはありませんか?」と注文したところ、防水効果もあるしっかりしたスニーカーをすすめてくれました。いままで履いていたスニーカーはちょっとへたっていたので、すぐに気に入って、しばらくの間、根雪になるまで新しいスニーカーを履くことにしました。11月に入ってすぐのことでした。
ところが例年以上の寒波がおとずれ、住居のある新琴似付近は快調に歩いていたのに、防風林を越え屯田に入ったところ道はツルツルに凍っていました。当院間近でとうとう仰向けにひっくり返ってイヤというほど後頭部と背中を打ちつけた。やばい!と思って頭に手をやりましたが血は出ていない。さすが俺、学生時代、柔道をやったおかげで手をついて転ぶなんて無様なことはしたことがない、でも、2,3日後は体のあちこちが痛くなるだろうなと覚悟しました。しかし、日頃、木刀(重さ1㎏)の素振り120回、腕立て20回3セット、腹緊160回以上と鍛錬しているためか、打ちつけた部位が3日ほどズキズキしただけでした。
しかし、また転んだら大変と防寒靴を取り出したところ、スパイクが何本か取れてなくなっており、靴本体にもひび割れが入っていました。そこでアウトドアとキャンプの店「秀岳莊」へ行って防寒靴を買い換えることにしました。
当院付近の路地は雪かき車もたまにしか来ないので、ブーツタイプの靴が必要です。それに加えて滑らないこと。5年ほど前、「秀岳莊」に行って、ベテランの店員さんに相談したところ、スウェーデン製の ICEBUG をすすめられました。
この ICEBUG、見た目は登山靴みたいにゴツイけど意外に軽く早歩きも可能です。防寒靴と称するだけあって保温効果は抜群。夏用の靴下でも足はポカポカです。さすがはスウェーデン製! しかし、このブログを書くにあたってよくよく見てみると、MADE IN INDONESIA のラベルが縫い付けてある、ニセモノか?
多分、大丈夫だと思います。バブルのはじける頃、ナイキのエアマックスが暴騰しました。それが MADE IN CHAINA だったり MADE IN BIETNAM だったりしていました(今でもそうでしょうが)。人件費削減のためでしょう。
この防寒靴は天気が悪いときほどありがたみが分かります。猛吹雪の時はタクシー会社に連絡してもなかなか繋がりません。タクシーをつかまえたとしても渋滞で進みません。一歩一歩確実に前に進むことができます。年に1,2回、最悪の猛吹雪で前が見えなくなることもありますがゴーグルを着用すれば何とかなります。また、アイスバーンで他の人がおそるおそる歩いていても、こちらは胸を張ってふつうのペースで歩けます。
いうなればオフロードをランクルで走っているようなものです。
欠点は雪のない道や建物の中を歩くときにスパイクがカチンカチンと頭まで響くことです。あまりにも不快なので雪解け道はふつうの人と違って雪の残っている部分を選んで歩くことになります。傍から見れば変なオジサンでしょうね。
「秀岳莊」の店員さんによると北海道以外ではスパイク附きの靴は需要がないので、今後は輸入しないそうです。でも2年先までは分かりません。その時はその時です。
第259回 忙酔敬語 3代目の防寒靴