先月、東京での東洋心身研究会の帰りの飛行機で退屈しのぎに映画を観ました。かぎられた飛行時間なので途切れ途切れでしたが『ランニング・マン』に衝撃を受けました。
アメリカの近未来、富裕層と貧困層がさらに極端に二極化していました。そんな中で娘の治療費を稼ぐためにマッチョな男がテレビ会社が主催するやばいイベントに参加しました。走って走って30日間逃げ切ったら1000億円を稼げるというのです。主催者側は参加者を見つけしだい射殺します。隠れていてもチクッた人間に賞金が支払われるのでまず生き残るのは不可能です。実にバカバカしい設定ですがB級なりに良くできた映画で引きずり込まれました。アメリカの暗部をみごとに表現していました。
救いの一つは男の伴侶がアフリカ系の女性であるということでした。アメリカの人種差別には根深いものがあり、こんな設定をした映画は初めて観ました。
アメリカは資源が豊富で人材も世界中から集まり、軍事・経済とも群を抜いていますが国民の生活環境は貧困と言ってもいいほどです。トランプ大統領は「アメリカは世界中から富を奪われ大変な目にあっている。今こそアメリカ・ファーストで黄金時代をきずくのだ」と言っています。
国際政治学者の髙橋和夫先生によると、アメリカは世界の軍事費の3分の1を所有し経済もダントツですが国民の平均寿命は80歳に届かず赤ちゃんの死亡率も先進諸国中最低レベルであるということです。トランプ大統領がアメリカ国民は大変な犠牲を強いられていると言うのもあながち根拠のないことではないのです。
アメリカは若い国です。統一のきっかけになったフレンチ・インディアン戦争は1754年に始まり、1776年に独立戦争、そして1866年の南北戦争で国がまとまりました。この時代、日本は江戸中期から幕末で、それなりに太平を謳歌していました。
アメリカは国土が広いため、治安が行きとどかず自分のことは自分で守るという精神がつらぬいていていまだに銃の保有は合法となっています。数々の西部劇でもこんな無法状態が描かれています。大統領選挙も広い地域で選挙するので代理人を決めるとかややこしい制度がいまだに続いています。現在だったら交通・情報機関も発達してもういい加減にそんな制度を改善してもいいのに何せお祭り騒ぎなので手がつけられそうもありません。
アメリカでは大谷翔平みたいな英雄は尊敬されますが、いったん落ちこぼれると落ちるところまで落ちても救いの手を得るのは困難です。頭の堅い人々の集団のため、州によっては進化論の教育は禁止されています。かたやわが日本は新しい文化が入ってくるとそれまでの文化をいさぎよく棄ててしまうという癖(ヘキ)があります。
私は『ランニング・マン』は最後まで観ていませんが、アメリカの問題の本質をかいま見た思いでした。あとで調べたら原作は「ホラーの帝王」スティーブン・キングでした。さすがです。キングは『シャイニング』、『キャリー』など数々のホラー映画の脚本を書いていますが、ほろ苦い青春ドラマの名作『スタンド・バイ・ミー』も書いています。
何かにつけ多様性が大事だと言われていますがアメリカは多様性の度が過ぎます。上層社会はいまだにWASP(ワスプ)が占めています。ホワイト(白人)・アングロサクソン・プロテスタントです。それに政治・経済を裏で支配するユダヤ系の人々、さらにジリジリと侵入するヒスパニック系の人々が未来のアメリカを崩壊すると言われています。





