讀賣新聞が第一面に人口減に対する「讀賣売新聞社提言」7項目を掲載しました。
結婚から育児切れ目なく支援
若者が希望を持てる賃上げ
多様な働き方選べる社会に
政治は財源の合意形成図れ
強力な推進体制政府に構築
住み続けたい地域づくり
外国人・高齢者活力維持へ重要
なるほど、これは良い考えだ!と思いますか?まどろっこしいですね。どれもすぐに人口増加につながるとは思えません。
現場の産科医である私の提言は以下の一項目だけです。
母子手帳が交付された時点で、それ以降の窓口払いはなし。
『そこまで言って委員会』で竹田恒泰さんが、一人生むごとに1000万円給付しろ、と提案していました。生まれた子供は大人になったら税金を払うようになるので元は取れるというのです。昔、高橋はるみさんが北海道知事選に出馬したとき、少子化対策に努めると公約し、圧倒的な勢いで当選しました。さて、どんな対策をするのだろうと見守っていたら、お産一つにつき5000円相当のクーポン券を給付しました。私は呆れはてましたが、道民はノンビリしているので誰一人文句をたれませんでした。他の自治体では180万給付して、取材に応じたお父さんは満面の笑みを浮かべて喜んでいましたが、子育てすればあっという間に消えてしまう金額です。それに対して1000万円は説得力のある金額ですが、もらった親が何に使うか保証はありません。
制度は単純で分かりやすいのがベストです。当院では3人以上お産する人は少なくないので、3人以上はタダと考えたこともありました。このことをお母さん方に話したら、それは良い考えだ!と喜んでくれましたが、さて、3人目の給付をいつまでさかのぼるか?という問題が生じました。お子さんが5人いる野田先生に話したら、「50年前までだ」と言いました。「お孫さんは何人ですか?」と訊ねると4人とのこと。これじゃ人口増加ではなく現状維持ですね。しかもこの方法は少しばかりややこしいので却下しました。
晴朗院長にも私の案を話したら、ニヤッとして「良い考えですね、いっそのこと立候補して政治家になったらどうですか?」と言ってくれましたが、この時点で冗談半分的な雰囲気になりました。政治家として活動すれば仲間を増やすために裏金が必要になり、ますますややこしいことになりそうです。
さて、窓口払いなしでお産までたどり着いた後はどうするか? 子供が税金を払えるようになるまで教育費用を援助します。このあたりになると讀賣新聞の提言が威力を発揮するようになるでしょう。それまで私の提言が認められるように祈っています。