佐野理事長ブログ カーブ

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第628回 忙酔敬語 冬靴を買う

 雪道を歩くのが好きです。とにかく清潔で雪がクッションとなり膝にやさしい。しかし良いことばかりではありません。路面が固く凍結しているときは滑ります。気をつけていても一冬に1、2回はスッテンコロリンします。学生時代に柔道をしていたので手をついてケガをするようなヘマはしません。瞬時に腰から転がるように体を丸くして対応します。そんなことを自慢していたら、柔道界のカリスマ山下泰裕会長が転倒して頸椎損傷で入院治療したというニュースが入りました。困るんだなあ、そんなことでは・・・、オレの立場はどうなるんだ?スイマセン、とにかく会長の快復を祈るばかりです。

 10年以上も前から、秀岳莊で購入したスウェーデン製のスパイク附きブーツを愛用してきました。さすがにこれなら滑りません。今ので3足目です。5年前に購入したとき、店員さんに「このタイプは今後は生産されないので多分これが最後となるでしょう」と言われました。1足目は踵を地面に擦って歩いたため、2年目でスパイクが取れて使い物にならなくなりました。アスリートクラブ店長の斉藤文香さんに正しい歩き方を教えてもらったので3足目はまだまだ健在です。歩くコツはとくかく擦り音をたてないことです。耳を足の方にも集中して、踵から着地して胸を張って歩きます。できたら首と肩も引いて猫背にならないようにします。ときどき通りすがりの窓に映る自分の姿をチェックします。しかし、年齢とともにブーツの重さが身に応えるようになりました。

 12月23日(土)、外来終了後、アスリートクラブから冬靴のキャンペーンが届いていたのを思い出して、重たいブーツで雪道をエッチラオッチラ当院から地下鉄麻生駅まで行って大通で降り、今度はむき出しのアスファルトと氷の上をスパイクをカチカチ鳴らせて店にたどり着きました。冬至の翌日だったので、4時過ぎには日はトップリと暮れていました。店内は斉藤店長1人だけでした。

 斉藤さんのアドバイスは的確で、すすめられた黒い靴に決めました。スパイクなしですが、滑り止めがほどこされてあるので心配なさそうでした。店の中を歩いてみましたが異和感はありません。決めるのにかかった時間は5分くらい。この店であれこれ迷うことはほとんどありません。「もうブーツを履くのはイヤだから、この靴で帰ります」と言って、ブーツはビニール袋に入れてもらいました。斉藤さんはテキパキと処理してくれました。さすが現役アスリートです。

 ここまでの歩行距離は7㎞。しかし、帰りはラクチンでした。途中、ジュンク堂に寄りましたが求めていた本がなかったので帰宅しました。トータルの歩行距離は10㎞で15000歩。靴を履き替えたおかげで元気に家にたどり着きました。

 翌日は日曜日ですが日当直です。出発は5時20分、気温は-7℃。まだ真っ暗でした。路上は適度な積雪で、歩行にはベストコンディションでした。スパイクは附いていませんがむき出しの凍結路面でも滑ることはなく安心して歩けました。真新しい靴は足に馴染まないと言われていますが、スタートから良い感じでした。歩き続けること50分、さらに馴染んで病院に着く頃は体の一部と化していました。

 ナースステーションに行って、早速、新しい靴の自慢をしました。

 「もう、スパイクのカチカチで目が覚めることはないんですね!」

 院内でもいろいろ迷惑をかけていたようです。