佐野理事長ブログ カーブ

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第163回 忙酔敬語 我が腰痛

鈍い腰痛で目を覚ましました。そう言えばその前日から左の下腹部から鼠径部にかけて痛みを感じていました。おそらく痛みの部位が深いところにあるせいでしょう。下腹部になったり腰になったりするのです。
「何か腫瘍でも出来たのか?」
不安がよぎりました。ギックリ腰と違って陰気な痛みです。ギックリ腰は痛い部分がハッキリしていて、「イタタタッ!」と派手に来ますが、今回は場所も定かでなくテンションも落ちてきました。腰痛の8割以上は非特異的腰痛といって心理社会的因子が関係していると言われています。
「オレもそんなに参っているのかなあ・・・」と別な意味で不安になりました。
ギックリ腰は学生の頃と7年ほど前に2度経験しています。
初めてのぎっくり腰は柔道部の合宿のときでした。近くの高校との合同練習で、腹ばいになった高校生を持ち上げようとしたらグキッと来ました。自力で立ち上げれなくなり、いつもは素っ気ない後輩も同情して手を差し伸べてくれるほどでした。しかし若さでしょうか。一晩寝ると、翌日にはケロッと良くなっていました。
2度目は東洋医学会の会合に行こうとして靴下をはいたとき。たったそれだけでギクッと来ました。学生のときと違って何とか歩けました。会合に行けば、懇意にしている鍼灸師の先生が来ているはずです。多くの鍼灸師の先生はいざという時のために治療器具を持ち歩いています。会場にたどり着いたところ頼りのN先生がいました。
「N先生、お願い!」と休憩時間に治療してもらいました。
それで痛みは半減。その後、2週間ほどで完治しました。この間、鎮痛薬は使いませんでした。しかし、学生の頃は何もしなくても一晩で治ったのに、けっこう時間がかかりました。年かねえ。
さて、このたびの腰痛。この1,2年、ブログでも腰痛に対して陰陽太極鍼法を応用した鍼治療が効くとさんざん自慢話を書いてきました。さっそく試してみました。円皮鍼を貼った直後はいくらか良くなりましたが、2,3時間したらまた痛くなりました。
「この治療法、本当に効くのか?」と自信が揺らぎました。
ふだんはほとんど鎮痛薬など飲んだことはないのですが、あまりに陰気で不快なので(愉快な痛みなんてないか)ロキソニンを飲んでみました。すると3,4時間後には痛みはすっかり消えていました。ロキソニンおそるべしです。
痛みに対する感受性は人それぞれです。手術後の経過は問題はなくても何度も鎮痛薬を希望する患者さんもいれば、必要としない患者さんもいます。
常々、「もしオレが手術を受けたらどのくらい我慢できるか試してみよう」と考えていました。別にMってワケではありませんよ。単なる好奇心です。術後のように先が見える痛みなら我慢できるかもしれません。癌性疼痛も我慢するつもりでしたが、これは死ぬまで続きそうだし痛みも陰気で救われそうもないので、今回の経験から耐えるのはやめることにしました。別に我慢しても誰もほめてくれるワケでもなく、何のトクもないしなあ。
腰痛は10日ほど続きましたが、ロキソニンはその間トータル8錠飲んだだけで治まりました。また、鍼灸学校の先生によると自分への鍼治療は難しいとのことでした。