佐野理事長ブログ カーブ

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第436回 忙酔敬語 保育園の意義

 保育士をしているお母さんが、職場の保育園に復帰するために自分の子を別の保育園にあずける必要が生じ、診断書を希望して受診しました。

 「何ですって? 自分の子は自分で育てればいいのに・・・」

 収入のこともあり、事態はそう単純ではないようでした。子育てに専念できるように政府自治体がしっかり保障すればよいのにどうなってるんでしょう? 少子化担当大臣っていたよなあ・・・。いったいどんな仕事をしてるんだろう?

 私はこれまで子どもは2,3歳になるまで母親がつきっきりで育てあげなければならないと考えていました。動物も乳離れするまで母親はつきっきりです。

 全国に先がけて札幌市は犬・猫は生後8週を越えなければ売買してはならないという法令を施行しました。幼いうちに母親から引き離された犬・猫はその後、精神的に発達障害をきたして、甘噛みができなかったり飼い主を引っ掻いたりするからです。

 実際に腕に引っ掻き傷のある患者さんを何人か見たことがあります。

 「それ、子猫ですか?」

 「いえ、7歳の猫です」

 「へーっ、虎かと思いましたよ」

 では、2歳近くなっても母親にベッタリさせるべきか? 自分の子どもの幼少期をかんがみるに、その頃になると子どもの目線は大人よりも同年代の子どもに向けられる頻度が多くなりました。親離れと同時に子どもどおしの社会生活の準備をする段階になったようでした。

 BSプレミアムの『ワイルドライフ』を見ていると、ライオンやクマなどの赤ちゃんたちは数頭の兄弟どおしでじゃれ合っています。遊びをとおして獲物を捕る訓練をしているようです。また、大勢の仲間と一緒にいることで精神的にも安定する効果があるように推察できます。

 私が幼いときは近所に大勢の悪ガキがいました。年代もさまざま。賢い兄貴分がいていろいろタメになる事を教えてくれたり、それこそ悪ガキがトンボの尻尾に糸をつけて遊ぶ方法を伝授してくれたりしました。野良犬も多数ウロウロしていて、季節になると身を張って性教育の実技を披露してくれました。もちろん、それが性行為だと知ったのはかなり後のことですが・・・。

 住んでいたのは小樽の源町で、現在は清水町に統合されています。その一帯は父の勤務していた北海製罐の社宅で、つきあっている子どもの親御さんたちも知りあいなので、安心して遊ぶことがゆるされました。

 当時の「みよし幼稚園」は2年保育でしたした。父親はボーッとしている私を今でいうところの発達障害と思ったのか、年少からの入園は無理だと判断して入園させませんでした。したがって午前中は遊び仲間がほとんどいなくなり、1人でブラブラしていたため発達障害はさらにみがきがかかりました。唯一の救いは、お隣の1歳年上の親友ミノルちゃんが昼過ぎになると帰ってくるので、午後は一緒に遊ぶことができました。

 てなワケで子どもどおしのつき合いはとても重要であると再認識しています。核家族化した現在では保育園で社会性を学ぶ必要があると、今になって考えなおしました。