先日、『ケア』の記者が取材で訪れました。『ケア』は北海道医療新聞社で出版している月刊誌で、身の回りにある病気について分かりやすく書いてあります。最寄りの病院に行けば手に入ると思います。もちろん当院の外来にも置いてあります。定価は350円と書いてありますが当院ではタダです。たぶん他の施設でもタダでしょう。広告費みたいなものですから。
このたびの取材は子宮内膜症についてでした。子宮内膜症については札幌市内には専門家といってもいいような先生はいくらでもいるのですが、一般向けの話なら自分でもできると思って取材に応じました。子宮内膜症の症状でトップに来るのが生理痛です。記者のおネエさんは、けっこうガンバリ屋さんで、わが馬鹿ブログをすべてチェックしていました。「先生のブログを拝見しましたが、生理痛についてはまだ書かれていませんね」。「あれっ、そうだったっけ」と過去のブログを調べてみましたが、確かにありませんでした。そしていずれ書く予定のネタ帳に「生理痛」という言葉が見つかりました。ネタ帳にはその他、「うつ病」、「リストカット」、「産後ケア(続・赤ちゃんが泣く理由)」、「毎日が心療内科」、「血液型と性格、今日の占い」、「お酒と煙草と向精神薬」、「緊急避妊」等々ありました。いずれも気が向いたら書こうと思っているネタです。子宮内膜症は候補にもありませんでした。私のブログは基本的にゆるネタ話なので、直球勝負で行くことはほとんどありません。子宮内膜症といったテーマはちょっと重たくなりそうなので手を出しかねていたのでしょう。では「うつ病」や「リストカット」は軽いのか?勿論そうゆうわけではありませんが、両者とも私なりの視点で考えていることがあるので、いずれブログに書いてみたいと思っているのです。
さて、生理痛です。ここに平成8年7月27日におこなった第8回女性の健康のための教室「月経痛(生理痛)」の資料があるので書き写してみます。当時の私は人前で話をするのが苦手で、そのまま音読してもいいように台本として資料を書きました。いわゆる軽度の社交性不安障害(SAD)でした。われながらウブでしたね。今では人前で話すのがほとんど平気、どころかけっこう楽しみで、図々しいオジさんとなってしまいました。
1.はじめに
お産の後、その喜びのあまり、女に生まれて良かったと言うのを時々聞くことがあります。そんな時はこちらも産科医をやっていて良かったとつくづく思います。それに対して、月経痛に悩まされる人は、女になんか生まれて来なければ良かったと言います。しかし、一方で月経中、ほとんどトラブルなしで過ごせる人もいます。いったい月経痛はどうして起きるのでしょうか?どんな予防法や治療法があるのでしょうか?今日は女性を悩ます月経痛についてお話ししたいと思います。
(次回のブログへ続く。1時間の講演を前提に書いた資料なので、6回くらい続くでしょう)