母子衛生研究会主催の「プレママわくわくセミナー ハロー赤ちゃん」は年間を通して主要都市のどこかで開催されています。4月22日(月)に『元気な赤ちゃんを生むために』というタイトルで40分間講演しました。集まったお母さんとそのご家族は100名を越えました。たった40分で誰もが納得するお話しはできないので、あらかじめ質問したい事項を用意してもらって Q&A 方式で行いました。以下、いくつか抜粋します。
1.妊婦はいつまで自転車に乗ってよいのか?
自転車に乗ってペダルをこぐこと自体は問題ありませんが、自転車は乗る人にとってガードが甘く、倒れたらダメージを受けます。私自身、6年ほど前、自転車がパンクしてもんどり打って頭から地面に突っ込み、あばら骨を折り、意識がもうろうとしたことがありました。以来。それに懲りて自転車は乗っていません。
2.授乳に備えて乳首をどうケアすればよいのか?
赤ちゃんのオッパイを吸う力は予想以上に強く、チューチューと吸うのではなく、ガブッと噛みつくように迫ってきます。産前から乳首を鍛えなければいけません。新人のお相撲さんがドロップアウトする原因の一つとして、土俵を裸足ですり足するために足裏の皮がいったん剥けるため、それに耐えられなくてギブアップするケースがあります。めげずに頑張れば強い皮が再生します。乳首もあらかじめマッサージで鍛えておいてください。
3.早産を予防するには何に気をつければよいのか?(似たような質問多数)
私の友人の島野先生は、細菌性腟症がないのなら痛みをともなうような腹緊がなければ大丈夫と言っていますが、なかには頚管無力症といって体質的に早産する人もいるので、かかりつけの産科でしっかり検査する必要があります。また、帯下があれば要注意です。
4.つわりの治療としてお勧めの食べ物は?
漢方薬ではつわりの適応になっている薬がいくつかあります。共通している生薬は生姜です。アメリカでは生姜だけでもつわりに有効であるというエビデンスがあります。栄養を補給するのならカロリーメートのジェリータイプがお勧めです。1個で200カロリーあり、寝たきりなら5個も摂れば1日生きていくことができます。
5.陣痛を乗り越える工夫を教えてください。
ソフロロジーと言って陣痛を前向きにとらえる方法があります。もし、赤ちゃんの名前が決まっていれば日頃から赤ちゃんが動くたびに語りかけてください。早く赤ちゃんに会いたいなあと。そうすると、いざ陣痛が始まれば、陣痛が来るたびに○○ちゃんに会えるんだ、楽しみだなあ、と喜びに満ちあふれたお産を経験することができます。(実はこれ、3月のソフロロジー協会の会長・森本 記先生の講演を聴いたにわか覚えの知識です)
6.妊娠33週ですが結婚式に参加しても大丈夫ですか?
すぐにかかりつけの産院に行ける範囲なら大丈夫です。当院では切迫早産で入院治療していた妊婦さんが、退院してから砂川で産気づいて砂川市立病院で産んでしまった例があります。また逆に小樽で産む予定だったお母さんが、予定日にもかかわらず当院の近くでウロウロしていたため当院で産んでしまった例もありました。
こんなユルイ話でまたたく間に40分は過ぎました。