地政学とは地理的な条件(位置、地形、気候、資源、国境など)が国家の政治や経済、軍事、国際関係にどのような影響を与えるかを分析する学問です。以上、AIによる概要ですが、私は国土の広さも考慮すべきだと考えています。
放送大学『人の移動から見る近現代ヨーロッパの歴史』を観るとつくづく日本は運の良い国だなあ、と思いました。まずまわりを海に囲まれているので異民族の侵入はほとんどありません。イギリスも日本と同じくらいの島国ですが、ドーバー海峡は泳いで渡れる人もいるので、バイキングをはじめ様々な異民族の侵入をうけました。
気候もまあまあです。昔、オーストラリアへ学会のために旅行したことがありますが、オーストラリアの上空からの景色を飛行機から見ると延々と砂漠続いており、「こんな所、タダでもいらないな」と思ったことでした。オーストラリアは国土は広大ですが、このようにほとんどが砂漠なので人は3000万人くらいしか養えません。
ヨーロッパは地続きなので、そのときの状況に応じて民族が移動しました。とくに17世紀は現在と違って地球の気温が下がって農作物の収穫が減りました。お腹が空くと人々の機嫌は悪くなり世界中で戦争が繰り広げられました。ヨーロッパの30年戦争だけではなく、中国では300年続いた明王朝が多発した盗賊によって滅亡し、北から侵入した満洲族の清王朝となりました。日本では島原の乱が勃発しました。それぞれの戦は直接関係はありませんが、天候が大きく関与したと言われています。
司馬遼太郎さんによると国を治めるのには適度な広さが大事だそうです。あまりにも広大だと支配がいきとどきません。ロシアは人の住めるところはわずかなので、シベリアまで領土が広がってもどうってことはありませんでしたが、いざ戦争になると撤退するのには適していました。ナポレオン戦争しかり、ナチスドイツとの戦いしかりでした。しかし、第2次大戦後に拡張したソ連は国土を維持できずに各民族(共和国)に手放し、いまやウクライナにも手をやいています。
中国も戦に強い満洲族が獲得したモンゴル、ウィグル、チベットをもてあましています。インドはもともとバラバラで今もバラバラなのでそれほど大事件は起きていません。自由諸国の盟主であったアメリカ合衆国は、もともと広い国の各地域から馬車で代表を送って大統領を選んでいたので、いまだに複雑な大統領選挙をしています。デジタルの時代、もっと簡単に選挙ができるなずですが、なんせお祭り騒ぎなので聞く耳は持たないようです。
国境を超えて仲良くしましょうと言ってもそれはきれい事です。バルセロナへ旅行したとき、出かけるときホテルのドアマンにスペイン語で「行ってきます」と言ってもニコリともしませんでした。サグラダファミリアの下で『地球の歩き方』を開いたらスペイン語とカタルーニャ語の違いが書いていました。ホテルに帰ったときカタルーニャ語で「ただいま」と言ったら「おかえりなさい」とニッコリ笑ってくれました。
私が地政学という言葉を知ったのは地政学者ジョージ・フリードマンの『100年予測』を読んでからです。冒頭、日本が月の裏側からアメリカめがけてミサイル攻撃をしてまさに荒唐無稽。しかしアメリカの本当の敵はヒスパニックで、アメリカ国内にガン細胞のように侵入して最後の戦いをむかえるとだろうと予測していました。トランプ大統領もこの本を読んだのでメキシコとの国境線に壁を造っているのだと思ったことでした。





