佐野理事長ブログ カーブ

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第764回 忙酔敬語 いつまでも働きたいですか?

 朝日新聞のアンケート調査です。回答者数2503人。多分ほとんどが朝日新聞の読者でしょうから日本人全般を代表するデーターとは言えないかもしれません。しかし参考にはなりました。ちなみに朝日新聞の主張は反自民、憲法9条死守などが特徴です。

 「はい」が40%。その理由として1位が「社会とのつながりを失いたくない」、2位「体力の衰えを防ぎたい」、3位「認知症予防や脳の活性化を図りたい」、4位「規則正しい生活リズムを維持したい」、5位「趣味、旅行、娯楽に使うお金が欲しい」。

 「いいえ」が60%とやや多い。理由の1位が「趣味や娯楽に時間を使いたい」。2位「人生を楽しみたい」。3位「ストレスのない生活を送りたい」、4位「体力的に厳しい」、5位「自宅で過ごす時間を重視したい」。

 「はい」と「いいえ」に共通しているのは趣味と娯楽です。そのために必要なお金をとるかユトリの時間をとるかの違いです。仕事に生きがいを感じている人がランクインしていないのが気になりました。しかしながら番外として「私の職業には定年がない、子供のころからの夢だったので、簡単には手放したくない」という回答もあり、ちょっとホッとしました。私も今の仕事にほぼ満足しています。もちろん定年はありません。

 「いつまでも働きたいですか?」は「居心地の良いのはどこですか?」にかぶります。心身医学について考えていると、生物にとって生きやすいとはどうゆうことか?とまで範囲が広がっていきました。日本の心身医学の創始者である池見酉次郎先生は「心と身体だけではダメです。社会、倫理にも目を向けるように」と言われましたが、私はさらに生態学的観点から診療すべきだと考えています。

 生態学では居場所のことをニッチと呼んでいます。人生とは自分のニッチをさがすことだと気づいて、6年前に心身医学北海道地方会で「ニッチをさがせ」という演題で発表しましたが、コロナの真っ最中だったため抄録の紙面発表だけで終わってしまいました。

 その後、生命の進化にのめり込んで、そのあげく看護学校で自分が作成した「生命の始まりから終わりまで」というパンフレットを教材にして講義したところ、学生から「シラバスと関係がないじゃないか!」というクレームを頂きました。漢方仲間の八重樫稔先生は哲学者でもあり「それって大事なことじゃないですか」と賛同してくれましたが、やっぱり常軌を逸した行為だったと反省しています。

 進化とは生物がニッチをもとめているうちにたどり着いた現象です。そこのニッチで生活できればそのままでOK。進化する必要はありません。バクテリアはほとんど進化することなく現在にいたっています。ニッチが変化すればそこで生活できる生物が生きのこり繁栄します。別に高等になったワケではありません。42億年前に生命が誕生して基礎工事(真核細胞)が完成するまで20億年かかりました。そして6億年前に多細胞の動物が現れてからは、その頃の真核細胞はIPS細胞みたいだったので、5億年前にアレヨアレヨという間に多種多様な動物が誕生しました(カンブリア爆発)。地球環境はその後も大きく変化して5回の大絶滅を経て、生き残った生物かさらに新しい生物が誕生しました。

 職場も環境の一つです。仕事と趣味が一致していればラッキーです。一致していなければ生き残る手段として別な生き方を考えべきです。私は職場でハラスメントを受けたと言う患者さんに対して「そんなところ辞めろ辞めろ」と生態学的立場で忠告しています。