佐野理事長ブログ カーブ

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第726回 忙酔敬語 早苗ちゃん

 「とうとう更年期になってしまったんですね。これからどうすれば良いんでしょう?」 「早苗ちゃんみたいに生きていけば良いんです。更年期を過ぎてからが人生です」

 「早苗ちゃんて、高市総理のことですか?」

 「そうです。64歳でバリバリです。でも50歳のころは汗はかくし、ほてるはなどで大変だったみたいですよ。旦那さんは元議員の山本さんですが見解の相違で一度離婚したけど、やっぱり再婚し、そのときは姓をジャンケンで決めて勝ったそうです」

 もともと私は早苗ちゃんが苦手でした。こわい顔をして野心満々という印象を受けていたからです。しかし、側近の女性に「先生は本当は優しいのにお化粧で損をしています」と言われてからメイクを変えたそうです。メイクを変えた後もさほど優しくなったという印象はありませんでしたが、側近の女性の言葉で私の方が見方を変えました。

 総理になってからの外交はみごとでした。国際会議でポツネンとしている某国の代表に優しく語りかけたり、韓国での首脳会談では韓国の国旗に礼をしたりで、韓国の国民と対日強硬派だった大統領に好印象をあたえました。トランプ大統領とは腕を組んだり、アメリカ空母の上ではしゃいだりして、朝日新聞の女性論説員がおもねりではないかと批判しましたが、私はそうは思いませんでした。女性としての武器を存分にふるったとエールしました。石破前総理ではさすがのトランプさんも引いたことでしょう。また国会での答弁でも原稿を読みながらもチラッチラッと相手を見すえ、立派だと思いました。

 日本はジェンダー・ギャップ指数が主要148カ国中118位で、G7でも最下位でしたが、これからは早苗ちゃんがアメリカ空母で跳ねたみたいに大幅に跳ね上がるでことしょう。女性議員の占める割合がまだ少ないとの意見がありますが、数が多ければ良いってもんではありません。財政大臣という重要ポストに実力者の片平さなえさんがいれは十分です。閣僚や議員の人数に女性が占める割合を制度化している国がありますがナンセンスです。前提に男が多ければ何をするか分からない、という恐れがあるからなのでしょうか?また、能力のある男性議員を制限することにもなります。要するに逆差別です。

 以上、早苗ちゃんが総理になって有頂天になっている印象を受けたかもしれませんが、実を言うと逆です。私はもともと政治は男のやる仕事だと考えています。生物として一番優先されるのは、子供を生み育てることです。これは女性にしかできません。男はそれを外部から守らなければならないのです。政治もその一つです。一見華やかですが大したことではありません。外部とは自然環境、あるいは他国です。自然災害から身を守るためには腕力が必要です。女性よりも男が適した仕事です。                 問題は他国間との関係です。バカな男にまかせておくと戦争にもなりかねません。これは古代ギリシャの賢人も見抜いていて、喜劇作家のアリストファネスは『女の平和』を書きました。長いペロポネソス戦争にウンザリした女性たちがセックス・ストライキをして戦争をやめさせるという話です。女性がトップになれば戦争は回避できるのかと言えばそうでもありません。イギリスのサッチャー首相はアルゼンチンを相手にフォークランド紛争をしました。しかし短期間で決着をつけました。長期戦をするのはバカのやることです。  早苗ちゃんも何かと言えば戦略戦略とぶっそうな物言いをしていますが、とりあえず信じてみます。