佐野理事長ブログ カーブ

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第680回 忙酔敬語 ピラティス

 年齢を重ねるごとに歩くときの姿勢が悪くなり、妻からみっともないからピラティスを習うように言われました。場所は家から歩いて15分くらいのところにあるスタジオです。

 妻だけでなく、妹や師長のOさんにも姿勢が悪いと注意されます。まっ、注意されるうちが華か・・・・。見た目は大事なので素直にしたがうことにしました。

 Nさんという小柄な男性に指導してもらっています。まず最初に4mばかり歩かされました。Nさんはそれを動画に撮りました。続いてゆっくり屈伸したり、体幹を左右に回して柔軟性を確認しました。ふだんからラジオ体操をアレンジして自分なりの柔軟体操をしているのですが、自己流のせいか体は硬いままというのが実態です。

 Nさんは無理に負荷をかけないように注意してくれます。

 「痛みを感じれば脳が拒否反応を示します」

 脳はもともと運動を統制するのを主な働きとしています。ウブな状態だと脳と体の関係性は良好です。孫娘が2歳のときの姿を思い出しました。頭は体に対してデッカイのですが、首がスッと伸びて背筋も自然に伸びてデカイ頭をバランス良くささえていました。これがもし猫背だとささえきれません。

 5年前に小林篤史『ねこ背は10病で治る』という本を買いました。「こんなねこ背の治しの方法は間違っている!」の章に、むやみに筋トレをすればいいというものではありません、と書いていました。素直に信じることのできない私は、それまでどおりベッドの下に足を入れて固定して、背筋120回、ベッドの背もたれをつかんで膝を90度くらいに曲げて上下させること240回で腹筋を鍛えていました。学生時代に柔道をやっていたせいで体を鍛えていないとダメになってしまうのではないか、という観念にしばられていました。

 Nさんはそんな私の方法を否定することなく、インナーマッスルを鍛えることをすすめてくれました。足を固定しないで胸椎を伸ばすことを意識して背をそらすのです。背筋がボキボキといいました。腹筋はあお向けに寝て膝を90度曲げます。そして手を頭の後ろに軽くあてがって胸椎を丸く曲げるようにします。思いのほかきつく40回くらいで腹筋が熱くなり60回するのがやっとでした。240回から60回でかなり時間の短縮となりました。しかもベッドがなくてもどこでもできます。

 あお向けの体操のかなめは骨盤体操です。骨盤だけを上下に動かすのです。この動かし方には2種類あって、インナーマッスルに集中する方法が大事だということです。この他、曲げた膝を左右にゆっくり倒して頭と腕は反対方向に向けて伸ばします。睡眠時の寝返りがスムーズになって快眠を得られるということ。やれやれ、この歳になって寝返りにも気を配らなければならないのか・・・。いやいや、この歳まで積みかさなった変なクセを治すきっかけなのだと思いなおしました。

 その他、マシンを使って日常生活では使っていない筋肉を刺激したり、あれやこれやらで1時間のレッスンとなりました。レッスン後、体の力が抜けて屈伸はラクになり、歩く姿もマシになりました。スタジオから出ての帰路はすがすがしい気分で歩きもラクになりました。初回の翌朝、寝起きの腰痛が消えていました。以来、腰痛はほとんどありません。

 月に1度のレッスンです。家ではマシンは使えませんが、インナーマッスルでの背筋・腹筋は続けています。レッスンの内容は人それぞれですが私は良かったと思っています。