佐野理事長ブログ カーブ

Close

第617回 忙酔敬語 『射精道』青年期編

 若い女性がピルの処方のため受診しました。

 「生理が軽くなって良かったです」

 「女の人は大変ですね。でも男も性欲のムラムラを押さえなければならないから大変なんですよ」

 「わたしの彼って本当に性欲が強くてこっちが疲れているのにしつこくせまって来るんで大変です。何とかなりませんか?」

 妙な展開となりました。彼女はちょうど待っている間に私のブログを読んでいました。

 「その第607回『男子の性教育』を読んでごらんなさい。射精道(思春期編)の16番目に『セックスをしたいと思っても、まずオナニーをすべし(冷静になれる)』と書いてるでしょう。これを参考にまず一発抜いてもらったらどうですか」

 今井伸先生の『射精道』(光文社新書)には青年期編、中高年期編なども載っています。彼氏はもう20代のなかばなので、思春期編は第16条くらいしか参考にならないでしょう。

本書を購入するように薦めました。ついでにここに青年期編を紹介します。

 第1条 和姦をもって貴しとなす

 第2条 男女の性器の構造と性反応を熟知すべし

 第3条 知識は経験を補うと心得よ

 第4条 コンドームは常備携帯せよ

 第5条 コンドームの使用法を熟知すべし

 第6条 アダルト動画はファンタジーにて教科書とするべからず

 第7条 気心が許し合える間柄になってからセックスを行うのが望ましい

 第8条 前戯に重点を置くべし

 第9条 相手を思いやり、いつでも中断できるゆとりを持つべし

 第10条 常に相手の反応に気を配り、対応に注意せよ

 第11条 セックスにも相性があると心得よ

 第12条 二人同時のオルガスムスを目指してみよう

 第13条 余韻を大事にすべし

 第14条 セックスをする時は毎回相手の同意が必要と心得よ

 第15条 暴力を振るう男はセックスをする資格なし

 第16条 常に「心・技・体」の充実を図るべし

 今井先生は代々武士の家系で、幼少時におでこに怪我を負ったとき、父方のお祖母様は「向こう傷だから恥ではない」と言い切ったほどでした。柔道、剣道になぞらえて、オチンチンを刀に置き換え、「道」と精神論を付加して男子の生き方を説いたのです。

 私は柔道をした経験があるので、これを読んで思い浮かべたことは、セックスする前には「お願いします」から始まって、ことがすんだら「ありがとうございました」と結べばいいんだな、ということでした。要するに礼から始まり礼に終わるということです。これは人生全般に応用がききます。「道」は深いのです。