ある週刊誌の見出しに吉永小百合さんのことを俳優と記載していました。男女平等もここまで来たか、と嘆かわしく思いました。女優のどこがイケナイのでしょう? 女優の「女」には「女性」の意味だけではなく「美しさ」、「華やかさ」といったプラスの要素が加わっているように感じます。俳優ではかえって失礼です。では男優はどうかと調べてみたら、アダルト映画の俳優の意味合いが加わらしいので、そう簡単には使えないんだそうです。かように「男」はかなり格落ちとなる危険があります。やはり女優バンザイです。
先月参加した鹿児島での産婦人科漢方研究会・特別講演の演題が「脳科学から考える女性のストレスとレジリエンス」だったので興味を抱きましたが、抄録を読むと「多様性が重視され、男女共同参画が奨励されている中でも、日本のジェンダーギャップ指数は、先進国最下位である。ウンヌンカンヌン・・・・」とあったので、急にイヤになりさっさと引きあげ、空港でお土産を買って帰りました。
まず聞きなれないレジリエンスの確認から。簡単に言うと「回復力」だそうです。これは医師としてつね日頃、女性の回復力には感心しています。ちょっとした出血ではビクともしません。男だったらひっくり返っているような貧血でも、「そう言えば少し疲れます」とすましています。分娩という大役に備えた底力なのでしょう。一見メンタルが弱く、うつ病の有病率は男性の2倍ですが、うつ病で一番心配される自殺は男性の半数です。やばくなったら早めにギブアップして、その後の回復力はまた早いのです。「女は強し」です。妊娠・分娩をのりきれば女性は男性より長生きします。統計が証明しています。
さてジェンダーギャップの問題。ようするに女性の役職の割合が男性に劣るとか政治家に女性が少ないと言いたいらしいのですが、そもそも前提に社会的地位が高いほど良いことだ、という格差的な認識が見え隠れします。まずその考えが気にくわない。中間管理職や平社員での仕事の喜びだってあります。また、家庭の外で働くことがそんなに良いことなのでしょうか?バカバカしい!腹が立ちました。
生物的な立場から言うと、人間にとって一番大事なのは健康な子孫を残していくことです。少子化だと騒いでいるそばで、女性にもっと働けと言うのは矛盾しています。ここでニュージーランド元首相のジャシンダ・アーダーンさんのことを思い出しました。華奢な体で赤ちゃんを連れて国際会議に出席していました。
「オイオイ、ニュージーランドの男は何をやってるんだ、こんな疲れた女性をこき使って・・・、ちゃんと働けよ!」
ニュージーランドは女性の地位が高いという演出か?とまで勘ぐりました。
男に人材がいないと女性の救世主が現れます。中世フランスのジャンヌダルク、イギリスのサッチャー首相、ミャンマーのアウンサンスーチーさん等々。女性はレジリエンスが勝れているので、男がダメになった状況でも踏みとどまる能力があります。
ジャンヌダルクは高校の世界史の教科書にも載っていますが神話的で信じられません。サッチャー首相が登場したとき、現地にいた日本人は、だらけきった雰囲気が瞬時にして引き締まったとビックリしたそうです。アルゼンチンと戦争までするはで、まさに鉄の女でした。アウンサンスーチーさんは気の毒です。せっかく政権についても国情がどうしようもなく人相が悪くなってしまいました。ちなみに吉永小百合さんと同年代です。