朝日新聞によると、小学校の児童の8.8%が発達障害で、教育現場はその対応に苦慮しているそうです。発達障害にはいろいろなタイプがありますが、ようするにちょっと(あるいは大いに)変わった子と理解すればよいと思います。
かく申す私も「敬夫ちゃんは変わっている」と言われながら幼少期を送っていました。何せ絵を描くことが大好きで、母方の祖母は「紙とクレヨンをわたせばおとなしくしているので世話がやけない子だ」とほめてくれました。幼稚園に入る前まではロボットの絵、幼稚園に入ってからの1年間はカエルにはまり、睡蓮の葉に乗っかったカエルを描いたら先生たちから幼稚園始まって以来の出来だ!と賞賛されて壁に飾られました。本当はカエルのお腹は白いのに緑のまだら模様にした記憶があります。今から思えばこれだと毒ガエルです。また、1年間だった理由はふつうの子は2年保育でしたが、父は私がトロくさいのを見て、きっと授業についていけない、と勝手に判断して1年保育にしました。これは半分はあたっていました。図画はダントツで一番でしたが、折り紙がダメでした。先生が「ハイ、ここはこう折って」と言われても、まごまごしているうちに次の段階に進んでしまうので、トラウマになりました。折り紙がキライというワケではありません。三角に折るにしても角がキチンと合っているかどうか気になり、なかなか先に進めなかったのです。三角から入る代表的な折り紙が鶴です。私が自由に折り鶴が折れるようになったのは小学3年生を過ぎてからでした。
小学生になってからは、さいわいにもとびっきり苦手な科目はなかったので問題なく進学していきました。小学2年生で、図鑑に載っているクジラはすべて覚えました。近年、テレビなどで紹介されるクジラの多くはザトウクジラですが、あれはビジュアル的にキライです。第一、胸びれがバランスはずれに大きい、それに体にフジツボが付着して汚らしい、あまりにもアチコチに出没しているのでありがたみがない、などなど・・・。
イルカの仲間のスナメリが紹介されることはほとんどないため、絶滅危惧かと思っていたら横浜や大阪の沖に群れで発見されて話題となり一安心しています。また、小笠原諸島のマッコウクジラの群れに交じってアカボウクジラが発見されました。『ダーウィンが来た!』ではマッコウクジラの好物であるダイオウイカではないかと期待をもたせましたが、めずらしいアカボウクジラだと判明しました。その方が私にとっては60年ぶりの再会だったので嬉しかった。「アカボウ」だから頭が赤いと思い込んでいましたが、全身はダイオウイカと見間違えられるほど白く、頭が「赤ん坊」に似ているからアカボウクジラなんだそうです。
小学4年生からは恐竜少年になりました。今みたいに恐竜専門の図鑑はなく、小学館の『地球の図鑑』で、ジュラ紀の見開き2ページ、白亜紀の見開き2パージと4ページに掲載されている恐竜の名前はすべて覚えました。ティラノザウルスの姿を見て「トカゲというよりニワトリみたいだな」と時代のさきがけをいく印象を持ちました。
ただし漢字の書き取りが苦手で現在に至っています。どうしてだろうと不思議でしたが、ニトリの似鳥紹雄会長が自分の名前も漢字で書けない発達障害だったとカミングアウトされたことで、やっと私自身の正体を知ることができました。人と夢中に話をしていると自分が浮いていることに気づくようになり、自分のトリセツを得た思いです。