院長ブログ カーブ

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第484回 忙酔敬語 1ヵ月健診専門医

 4月から新しい診療体制になりました。私の担当は、月曜日はフリー(休み)、火曜日は午前・午後とも産科外来、水曜日と木曜日は午前・午後とも婦人科・心療内科外来、金曜日の午前は病棟、午後は産科外来、土曜日は原則として婦人科・心療内科外来です。

 当院の1ヵ月健診は赤ちゃん・お母さんとも火曜日と金曜日の午後です。赤ちゃんは小児科の笹島先生が診ます。お母さんは私が担当します。これまでは病棟も兼ねていたので、お産などがあると手が空いている医師が担当しましたが、これからは緊急帝王切開でもないかぎり1ヵ月健診に専念できることとなりました。

 赤ちゃんにとって1ヵ月健診は非常に重要です。笹島先生は札幌市で産まれたすべての赤ちゃんが新生児専門医の1ヵ月健診を受けられるように頑張っています。

 お母さんの方はと言うと、1ヵ月健診で大変な病態が発見されるということまずなく、正常な流れを確認するだけというのが一般的です。それなら産科医の役割なんて大したことないんだ、と思われるでしょう。実はこれからの子育てを支援する立場にあるのです。口はばったいようですが医師として、さらには人間としての経験がものを言う重要な仕事だと考えています。私は自称1ヵ月健診専門医になって非常に張り切っています。

 1ヵ月健診は、はじめてお母さんにとっては子育ての第一歩、経産婦さんにとっては上の子との関係性の問題などいろいろ相談することが山ほどあります。

 まずは新米ママについて。近ごろ問題になっているのが前回のブログで紹介した「ボンディング障害」です。この確認は簡単です。

 「赤ちゃん、可愛いですか?」

 「超可愛いです!」

 「じゃあ、赤ちゃんを守るためには全世界を敵に回してでも戦いますか?」

 「もちろんです!」

 まったく問題ありません。そこで「赤ちゃん語」の習得ぐあいについて質問します。

 「赤ちゃんがどうして泣いているか分かりますか?」

 「大体分かるようになりました」

 これも合格。あとは母子手帳には子育ての問題やノウハウが書かれているので、しっかり読むように勧めます。母子手帳は各自治体の保健師さんが一生懸命書いたもので、これだけで他の育児のテキストは必要ありません。ただし、細かい字でびっしり書いているので読みづらい。私にはキツイですが、若いから細かい字も何とかなるでしょう。

 経産婦さんについては上の子とのかかわりが問題になります。年子だったらまだ赤ちゃんと言ってよいので、いっそのこと双子だと思って育てなさい、とアドバイスします。言葉が理解できる年になったら間違っても「もう、お兄ちゃんなんだから、とか、お姉ちゃんなんだから」と言ってはいけません。親や赤ちゃんに対して敵意が芽ばえるからです。私も家内も第一子ですが、この言葉にトラウマを持っています。あぶないあぶない。 

 「人間をあえて2つに分類すると、味方と敵になります。上の子はとりあえず味方でした。しかし、あつかいようによっては敵になります。こうなると人間関係が倍になってやっかいなことになります。多少のことは目をつぶって、上の子が味方にいてくれるようにするのが今後の子育てにとって大事なポイントです」