院長ブログ カーブ

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第455回 忙酔敬語 開院25周年

 「先生、爺さんになったねえ!」

 10年ぶりに受診した患者さんに言われました。ちょうどその頃、引き出しの中を整理していたら20年以上も前の(はい、20世紀末です)写真が出てきて、「オレも若かったなあ」とシミジミ思っていたので別にカチンとは来ませんでした。

 「そりゃあそうだよ。しかし、○○さんは変わらないねえ」

 昔だったら、○○さんだって婆さんになったよ、とやり返すところでしたがダテに年を取ってはいません、リップサービスで返しました。はたして○○さんは嬉しそうに笑ってくれました。実は○○さんのことはよく覚えていません。20年くらい前の患者さんなら覚えていますが、10年前からは記憶力が低下してきたので、よほど手を焼いたか個性的な患者さんでなければ脳のカルテ庫からは無くなっています。

 法律では5年以上たったカルテは破棄してよいことになっていますが、当院の敷地には農家から一緒に借りた大きな倉庫があるので、すべて保管しています。まだまだスペースはあり、あと30年は大丈夫です。

 当院は平成7年9月1日に開院しました。あたりは住宅もまばらで、売店は通りをはさんでセイコーマートが一軒あるだけでした。このセイコーマートは、私の好きなハーゲンダッツの品揃えが豊富で気に入っていましたが、いつの間にか閉店し、やや東側にローソンが出現しました。

 当院の敷地を決めるにあたって、屯田で一番の繁華街(?)、街道沿いで創成川の西側の角地、そして現在ヨーカドーがある土地も候補にあったのですが、繁華街はコストが高く、角地は落ちつかず、ヨーカドーの場所は奥まりすぎていたので、実際に立ってみて気分が落ちつく現在の土地にしました。今や当時の繁華街はさびれ、当院近辺にはヨーカドーの他、ジョイフル、ヤマダ電機など、そうそうたる店が出来て、しかも前の通りは新道とつながり交通の便が良くなり、ラッキーな選択でした。

 当初、地下鉄南北線が麻生よりも北に伸びて屯田あたりにも駅ができないかな、と期待したのですが何事もほどほどが大事であまりにぎやかになるのも考えものです。駐車場は広いしこのくらいで良かったと思っています。

 屯田は札幌でも商店が少なく田舎チックな所ですが、札幌中心部からはそれほど遠くはなく、基幹病院も二次救急の手稲渓仁会病院、それに北大病院、札幌医大病院、市立札幌病院と三次救急病院も救急車で20分くらいで行けるので安心して診療ができます。 

 ふと気づけば四半世紀、○○さんにも言われたように医師だけでなく建物自体も婆さんになり、別の患者さんにも「もっときれいにならないの?」と不満の声が聞かれるようになりました。

 4月から札医大産婦人科で指導者として活躍していた郷久晴朗先生が院長として赴任しました。したがって医師も世代交代となりますが、理事長は「まだ現役だ!」と言ってやる気満々。私も産後のお母さんに「私、もう一人産みたいから先生、やめないでね」と言われ、もちろん続行です。院長の肩書きは晴朗先生にバトンタッチしましたがブログの題名はそのまんま。建物も6月から増築工事を始め、来年の春には完成予定です。今はボロボロですが来年はピッカピカです。これからもよろしくお願いいたします。