佐野理事長ブログ カーブ

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第390回 忙酔敬語 今すぐできる心と体のリラックス法

 6月15日(土)に行った「第197回女性の健康のための教室」のテーマです。集まった方は25人。ほとんどが常連さんだったので気楽に話しました。

 皆さん、こんにちは。「今すぐできる」だなんて詐欺みたいなお題ですね。でも私自身が今年になって体験して良かったと感じているのできっとお役に立つと思います。

 まず、メーテルリンクの『青い鳥』。チルチルとミチルの兄妹が同時に同じ夢を見て幸せの青い鳥をもとめて世界中を旅するという物語です。そして翌朝、家で飼っていたハトが青い鳥になっているのに気づき、幸せは身近にあったという結末。私はこの身近な幸せをもとめて「界隈旅行」にはまっています。海外旅行はお金も時間もかかるし第一疲れる。「界隈旅行」はちょっと気が向いたときに、近場で行ったことのない所に足を伸ばすだけなのでラクチンです。私は3月3日からこれまで4回決行しました。これといった大きな出来事には出くわしませんでしたが気分転換にはなりました。

 それこそ今できるのは「弱音を吐く、グチをこぼす」。何事もため込まないのが大事です。ここで注意しなければならないのが悪口を言わないこと、そして状況と相手をわきまえることです。私が弱音を吐く相手のほとんどは郷久先生です。「大丈夫だよ、何とかなるよ」と答えは分かっているのですが、何度も救われました。しかし、スタッフの前で「この病院、このままだと赤字だな」などと言ったら志気に関わるのでイケマセン。

 「憲法9条は家庭から」。ケンカは家庭内でもいけません。撲滅宣言をしましょう。何でこのオレがというのは禁句です。このへんの所はみうらじゅんさんの『マイ仏教』(新潮新書)にくわしく書いています。

 今回のお話しで大いに参考になったのがジョン・J・レイティ&リチャード・マニング著『GO WILD』、野中香方子訳『野生の体を取り戻せ!』(NHK出版)です。主な内容をかいつまんで説明します。(ここでは字数の関係でマインドフスネスだけとします)

 リラックス法として自律訓練法、ヨーガなどが知られていますが、最近のはやりは「マインドフルネス」です。私がこの方法を知ったのは2年前に行われた心身医学会の教育講演でした。すぐに「これ、俺にピッタリだな」と思いました。実に簡単。野生の動物が行っていることです。野生の気づき、「今ここで」に心をとぎすまします。今、感じている音や体感に全神経を集中します。過去のことやこれからの心配が入り込む余地がありません。だからリラックスできるのです。たとえばチョコレートを食べるとき、チョコの香りや甘さが口に広がるのに全神経を集中させ、飲み込むときには食道を通って胃に到達する感覚に集中する。そうするとチョコレート1個で充分満足して過食が防げるというのですが、私がためしたところ、12個も食べてしまい、すべての人に向くわけではないことが分かりました。しかし、不眠症には有効です。遠くの物音、自分の息づかい、耳の奥のシーンとした音などに意識を集中するといつもなら眠くなるまで本を読んでいましたが、最近はほとんどバタンキューとなりました。

 ここで「かえって眠れなくなりそうです」という詰問的質問。

 「とにかくだまされたと思ってやってみてください。いつでもどこでもできますよ」

 結びは五味太郎さんの『大人問題』の紹介。人生の究極の目的は自分の居場所を見つけること。結局は『青い鳥』みたいに身近にあるのかもしれません。