院長ブログ カーブ

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第379回 忙酔敬語 ストレスと便

 健康の3大原則は快食、快眠、快便と言われていますが、人間誰しも弱点があります。

 私の場合は快便に関して問題があります。ストレスがあると腸がグルグルと文句をたれ、ときに水分だけが先に出てしまうことがあります。緊急帝王切開が1日に2回もあると、やはり大腸の様子が不穏となり、トイレにかけ込むのですが、出るのはほとんど水分のみ。外来でも休みなく手強い患者さんを多く診ていると、お腹の調子が悪くなり、夕方にもなれば水便が出ます。我ながらヤワな神経をしていると情けなくなります。

 心身症に興味を持つ医者は、たいてい自分自身がそういった体験をしています。私は、中学生から高校生にかけて時々左胸が痛くなる心臓神経症と円形脱毛症が出現。小学生後半ではサバを食べると皮膚が痒くなるアレルギー反応が出ました。さらに幼いころは夜尿症に悩まされました。最近では3年前の春、腰痛を経験しました。腰痛の80%以上は心身症と言われています。「オレもとうとうやられてしまったか」と苦笑しました。

 今では、大体克服して、大勢の人前でも冗談交じりに話ができるようになりました。しかし、大腸はまだコントロール外です。精神的なストレス以外でも今年の冬は寒さにやられました。「お腹は冷やさないように」と言われていますが、2月の上旬、札幌は最高気温がマイナス10度という、とんでもない寒波に襲われました。その寒さのなか、計10㎞ばかりうろついていたら芯から冷えて、数日間、下痢が続いてしまいました。

 もともとは便秘症で、桃核承気湯や通導散といった大黄の入った漢方薬を寝る前に服用していた時期がありました。ところがダイエットのため煎り大豆を1日100gばかり食べるようになってから、コンモリとした良い感じのウンコが出るようになり、下剤は必要なくなりました。毎朝20分近くかけて、お茶などを飲みながらポリポリやっているのですが、これにも問題が発生しました。

 歯科の検診で、歯のすり減りを指摘されたのです。

 「歯ぎしりしていませんか?」と訊かれましたが、最近はそんな悔しい思いはしておらず、おそらく煎り大豆のせいではないかと考えました。

 以前、食に関する講演会で、「現代人は柔らかい物ばかり食べるので噛むことをしない。江戸時代の人は30回、縄文時代では50回以上咀嚼していた」というお話しを伺いました。なるほどなるほどと感心しながら聞いていましたが、講演が終了したとき「縄文時代にいったい誰が噛んだ回数を数えたんだろう?」と不思議に思って講師の先生に訊いたところ、歯のすり減り状態で推定したとのことでした。

 確かに私の食生活は江戸時代を通り越し、ナッツ中心の縄文時代とほぼ一致しています。こりゃあ、すり減るはずだ。今度、歯科検診のときに歯科の先生に相談しよう。一般的に動物は歯がすり減って食べられなくなったらアウトです。オレはあと何年もつんだろう?

 まあ、炒り豆がダメならシチューでふやかせて食べれば良いのです。先日、家での夕食はカレーでしたが、白米は原則禁なので煎り大豆にソースをかけたところ、ダールカレーとビーフカレーがミックスした感じとなり、これは美味いとトクした気分になりました。  あとはストレスに動じないように鍛えなきゃ。この前、頭に血が登るような患者さんの対応をして、側にいた外来師長に「オレ、カッカしていなかった?」と訊いたら「そうですか? いつもと変わりませんでしたよ」。もう少しで不動の境地に達成しそうです。