院長ブログ カーブ

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第366回 忙酔敬語 真冬日を歩く

真っ白い雪のなか、しっかり固まった道を歩くのが好きです。スマホの記録では、1月3日は9.4㎞、15229歩、5日は9.9㎞、16163歩、19日は10.7km、16904歩。ウォーキング自体が目的ではなく、車が(運転もタクシーも)キライなので必然的にそうなったのです。とくに早朝の薄暗くて人や車が少ない時間帯にいろいろなことを考えながら歩くと良いアイデアが浮かびます。晴れていれば南東の空に青白いシリウスを見ることができます。カラスの大群の鳴き声も景気が良い。22日にはキツネに出くわしました。

そんな気分の良い雪歩きですが、最近、3階の医局や地下鉄の階段を2段上がりすると左足のつけ根に鈍い痛みを感じるようになりました。どうもチョッピリ重いスパイク附きの防寒靴が負担になってきたようです。そろそろ歳か・・・・。カラダ全体はスッキリしているのですが、部分的にガタが来ているようです。運動、運動と言いますが、鍛えれば良いってもんではありません。適度にしておかないと壊れます。

30代から40代の頃、ジョギングにはまっていました。そのとき、ジョギングに関しての本を読みあさりましたが、その中でも印象に残っている1冊がありました。

「健康が目的ならジョギングは5kmあるいは30分で充分です。あとは他のスポーツに回してください。ジョギング程度なら下肢の筋肉や腰の筋肉を少しばかり鍛えるくらいです。体全体の筋力を鍛えるのなら別のスポーツをおすすめします」

ジョギングをしていると3㎞を過ぎて5㎞くらいになると、「いつまでも走っていたい!」、いわゆるランニングハイの状態に入りました。そこで止めるということは、酒飲みに日本酒を1合で止めろというのと同じ。名優の大滝修治さんが言っていました。

「お酒は適量を過ぎたあたりから旨くなる」

休みの朝は9㎞走っていました。50歳のとき、大先輩の丸山先生に言われました。

「佐野、お前の顔には死相が現れている。ユトリをとっておかないと危ないぞ」

すなおにジョギングはやめてウォーキングのみにしました。すると毎年、学会でお馴染みの先生に言われました。

「先生、今年は顔色が良いですね」

危ないところでした。

そのウォーキングも制限しなければならないのかと情けなくなりました。まっ、しかたがないか。ブーツでなければまだ大丈夫。ブーツでもゆっくり歩けば大丈夫です。

オリンピックも近くなり、わが産婦人科領域でも女子アスリートの健康問題が論議されるようになりましたが、私自身の体験からいって、もそもそも過酷な競技スポーツ自体がカラダに悪い。いっそのことそんなスポーツはやめてはどうか? でも彼女たちはそれに命をかけているから、こんなことを言っても相手にされないでしょうね。

オリンピックは平和の祭典と言われていますが、本当にそうでしょうか? 古代ギリシャのオリンピックは確かにそうだったかもしれませんが、現代のオリンピックはまるで古代ローマのコロッセオで行われていた闘技みたいです。ラッセル・クロウ主演『グラディエーター』、古くはカーク・ダグラス主演『スパルタカス』みたいな。違いは参加者が奴隷かアスリートかの違いです。アスリートもここまで追い込まれたら奴隷と変わりません。熱狂する観衆も古代ローマの残酷な市民たちとなんら違いはないような気がします。