まったく桜、桜ってうるさいなあ。奈良、京都など本州の桜は文句のつけようはないけれど(松前はまあまあか)、札幌の桜はわびしいよ。そんな桜の下で寒さに震えながらジンギスカンパーティーをやっている人の気が知れないね。
ジンギスカンパーティーといえば、先月、北大で構内での「ジンパ」が大学当局の一方的な通達で禁止となり物議をかもしました。私はここではじめてジンギスカンパーティーが「ジンパ」と言われているのを知りました。はっきり言わせてもらうと北大の「ジンパ」は大好きです。私も学生時代、北大医学部、札幌医大、旭川医大の柔道部の三大学対校試合の後、「ジンパ」を堪能しました。季節は6月でポプラの綿毛が飛び交い、花見の季節と違って温かく、試合に勝って(札幌医大優勝! 私は北大のキャプテンとは引き分けましたが、旭川医大の選手を内股で一本取りました)ただでさえ気分が良い上に、真っ昼間からのビールに陶然と酔いしれ、つくづく広いキャンパスがある北大は良いなあとうらやましく思いました。何よりもお金がかからない。これは学生にとって重要なことですよ。本州から「ジンパ」にあこがれて北大に来た学生も少なからずいることでしょう。この何十年も続いてきた伝統を「芝が傷む」だとか何とか言って禁止するのは如何なものかと思います。学生側は当局に抗議をして話し合いをするようです。ガンバレ、学生!!
いきなり話がそれてしまいました。花の話でした。その土地特有の花はその土地で鑑賞するのが一番。無理をしてソメイヨシノの苗を植えてショボイ花を愛でる必要はまったくなし。札幌、とくに当院のまわりならタンポポで十分、ライラックならさらに上等です。レンギョウのまぶしい黄色も好きですが、最近、見ることが少なくなったの残念です。これもあまり見かけなくなったが、ちょっと地味なムクゲも悪くない。とくに赤いムクゲの花は韓国の国花だそうで、桜のようにパッと散ることはなく、長い間しぶとく咲いています。両国の国民性を現しているようだなあ。
山梨県は桃の産地として有名ですが、雄大な桃畑に咲く花は息をのむほど素晴らしく、そんじょそこらの桜の比ではないらしい。桃の木そのものは、どの枝も斜め上に向かって素っ気なく伸びているため、風情のある桜に対しては一本勝負(人間なら個人戦)では明らかに負けます。しかし、団体戦となるとこれほどまとまって咲く桜はほとんどないので圧倒的に勝負ありです(何だか「ジンパ」で述べた柔道のことを引きずってるなあ)。まさに桃源郷です。春休みがゆっくりとれたらぜひ一度は行ってみたいと思っているのですが、いつのことになるのやら‥‥‥。
第67回 忙酔敬語 花はタンポポ、ライラック、そしていつかは桃の花