佐野理事長ブログ カーブ

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第134回 忙酔敬語 女性は最後の砦

このところ、マスコミで女性の社会進出についての話題が取り上げられています。先月の朝日新聞に「女性のリーダーなぜ少ない」と特集が組まれ、日本の女性国会議員の比率は世界で132番目と、まるで野蛮国のような書き方をされていました。それに対して、へそ曲がりの私はどうして女性が社会進出しなければならないのか疑問に思っています。政治などといったクダラナイことは男にやらせておけばよいのです。まかせられない男しかいなくなれば、おのずとすぐれた女性が現れます。
古くは中世のジャンヌ・ダルク、近代ではネルー首相亡き後グチャグチャになったインドを収拾したインデラ・ガンジー、そしてフヌケのようになったイギリスをたたき直したマーガレット・サッチャー。彼女たちは男がダメになった社会を救いました。ジャンヌ・ダルクは私が高校生のときの歴史の教科書に掲載されていましたが、「本当に一人の少女がフランスを救ったのだろうか?」と、うさんくさく思ったものでした。その点、ガンジーやサッチャーの活躍はリアルタイムで見てきたので確かです。
どうして男がダメになるとすぐれた女性が現れるのでしょうか? 生物学的に考察すると女性には子孫を残すための母性が備わっており、そのためいろいろな状況下でも危機を乗り越える力を発揮するようです。毎日のようにお産を見ている産科医としての印象です。欧米とくらべて不思議と日本では無痛分娩は行き渡っていないので、大抵の男ならギヴアップでしょうね。昔の女性はガマン強かったと言われていますが、それでもお産は「障子の桟がかぞえられなくなる」ほど大変でした。今のヤンママは健気に頑張っています。女性は男とくらべてダメになることが少ないのです。基本的に本質を見抜く力を備えているような気がします。ただし色恋沙汰になると別ですがね。
フェミニズムが叫ばれるようになったころ、国会中継で野党の女性議員が産後でも雇用される権利を訴えていました。それに対して温厚そうな大臣が「赤ちゃんにとって生まれて1,2年は母親が絶対的に必要な時期なので育児に専念すべきですよ」と諭すように言いました。私ももっともだと思いました。ところが女性議員は火がついたように反撃して、大臣もタジタジとなりました。その後、法律上では女性議員の意見が通りました。
一か月検診で、「ママ命」とプリントされたベビー服を着た赤ちゃんを見て思わず笑ってしまいました。ちなみに「パパ命」は見つからなかったそうです。そりゃそうでしょう。そんな赤ちゃんを託児所にあずけるだけのために仕事をするなんて変です。仕事で得るお金を育児料として直接お母さんに支給する方が合理的ではないでしょうか。
こんなふうに書いていると「女は家に引っ込んでいろ」と言ってるように思われそうですが、そうではありません。子育ての拠点である家庭は「城」で言えば「本丸」です。生物学的に考えても全世界共通の最も大切な場所です。男の役目は基本的に「外堀」で「本丸」を守ること。それが社会的な仕事です。単なる兵隊で、大したことではありません。
ただし女性の社会進出を阻むのもどうかと思います。先日、道新の生活部の記者さんから婦人科系の不定愁訴を解説できる医師を推薦して欲しいと相談されました。そこで札幌在住の医師の名前を4,5名ほど思いつくままにあげました。ふと気づくとほとんどが女医さんで男性医師は一人だけでした。最近、世界の政情を見ると、あちこちでキナ臭い出来事が続いています。日本でも女性のリーダーが出現するのは間近かもしれません。