佐野理事長ブログ カーブ

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第79回 忙酔敬語 受付番号57番の方ぁ~

当院では7月1日から外来で患者さんを呼ぶのを番号制にしました。個人情報のご時世ですし、患者さんが「自分はいつになったら呼ばれるのだろうか」という心配を減らすねらいもあります。また、同姓同名の患者さんや、まぎらわしい名前の患者さんを混乱なくご案内できるという利点があります。ただ、番号でお呼びするのは何だか冷たい感じがするので、そこは心を込めてアナウンスすることで解消しようと心がけております。
私自身、当院の近くの回転寿司屋さんで順番を待っているとき、顔と名前がわれていそうで(自意識過剰か?)「受付番号47番、47番でお待ちの佐野様ぁ~」と呼ばれると気恥ずかしい思いをしていましたが、先月は「大変お待たせいたしましたぁ~。お客様をお呼びいたします。受付番号99番、99番でお待ちの2名様ぁ~、7番カウンター席におこしください」と呼ばれてホッとしました。ですから患者さんの身になってみても悪くないやり方だと思っています。
当初、「ウケツケバンゴー」という言葉がスムーズに発音できず少々パニクりました。「ウケ、ウケツケ‥‥」とどもったり、「診察番号」と言ったり、直接名前を言いかけて「アッ、しまった」と言う言葉がマイクに入り、患者さんが笑いをこらえながら診察室に入って来たりしました。また、午前の診療の終了近くになり、受付番号57番あたりになると、舌がもつれてきて「診察室8番にお入りください」と最後までしっかりと発音できず、カミカミ状態のご案内となってしまいました。
「ウケツケバンゴー」を省略しようかとも考えましたが、いきなり番号を呼ぶより「ウケツケバンゴー」で患者さんは耳をそばだてると思うので、やはり「ウケツケバンゴー」で頑張ることにしました。そのかいあってか最近では100番台でもしっかり発音できるようになりました。
番号でご案内して良かったのは、「いつになったら呼ばれるのか」という問い合わせや、間違って診察室に入る患者さんが激減したことです。
ただし、「方」という言い方は本当はちょっとひっかかります。かといって「患者さん」、「患者さま」ではしつこいし、「お客様」ではますます変です。これもナレでしょうから、今後も「受付番号57番の方ぁ~♡、診察室8番にお入りください♡♡」で失礼します。