院長ブログ カーブ

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第75回 忙酔敬語 ようこそ助産外来へ

ホームページにもあるように、助産外来は当院の「売り」の一つです。立ち上げて2年あまりになります。その準備としてさらに2年以上もかかりました。担当の助産師5名はあちこちの助産外来を見学したり勉強したりしました。それは語るも涙の苦労だったそうです(聞く方はそれほど涙は出なかった、ゴメンネ)。
助産外来は完全予約制で、助産師が個室で45分かけて、ゆっくりとお話をうかがったりエコーをしたりします。エコーは医師の産科外来で使用している物と同じで、条件が良ければ3D、4Dも撮れます。医師の外来と違い、時間にゆとりがあるので実に見事に撮れることがあります。10年ほど前、お産の合間に急いでエコーをして、「ハイ、では次はお話ですからね」と言ったところ、「えっ、もう終わりですか?」と不満げな顔をしたお母さんの顔が忘れられません。何であんなにセカセカしていたのだろうと今でも申し訳なく思っています。
話がエコーにそれてしまいましたが、助産外来の本来の目的は正常分娩に向けてじっくりと語りあうことにあります。第22回のブログ「お産のときの医者の仕事」でも書きましたが、医師がお産にかかわるのは異常があったときで、ほとんどは助産師が対応しているのが現状です。点と線にたとえるなら医師は「点」、助産師は「線」です。ですから具体的なアドバイスは、お産の現状を常に把握している助産師の方が断然まさっています。 助産師外来の部屋には、週相当の赤ちゃんの人形もあり、「今、こんな大きさの赤ちゃんがお腹にいるんだ」と実感できます。妊婦さんだけでなくご主人やその他のご家族も一緒に参加できます。経産婦のお母さんの場合は上のお子さんが退屈しなくてもすむようにちょっとしたオモチャも用意しています。また、おチビちゃんたちがぶつかっても危険がないように、テーブルの縁は丸くしてあります。
正常な経過をたどっていても、いつ異常になるか分からないのが妊娠と分娩です。そこで助産外来を受けているお母さんでも、お腹が張っているとか血圧が高い場合には医師に回されます。また、何でもなくても助産外来と医師外来は交互の受診となります。予定日を過ぎたら医師外来のみの診察となります。また、前回、帝王切開を受けたり、高血圧など、正常分娩とはならないようなお母さんでは、残念ながら助産外来の範疇には入らないので医師外来のみとします。医師外来もそれなりに頑張っていますので助産外来からはずされてもそんなにガッカリしないでください。
助産外来のとなりは面談室です。そこで乳腺炎のお母さんの手当やハリ治療をしていると、ときどき助産外来から笑い声が聞こえてきます。「ああ、今日も楽しくやっているんだな」と心がなごみます。
はじめに述べたように、当初、助産外来は5人の助産師が担当していましたが、現在は病棟のほとんどの助産師が参加しています。ですからお産で入院したときに初対面ということは、まずありません。みなさんも助産外来へようこそ!!

※このブログの原稿をスタッフに見せたところ、最後の”みなさんも助産外来へようこそ!!”を「みなさんも助産外来へようこそ!!」のように「 」でくくり、さらに大きな字に変換して欲しいと言われました。やる気満々です。