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第72回 忙酔敬語 生理痛(その4)

子宮内膜症の治療には、薬による治療と手術による治療があります。子宮内膜症は卵巣から分泌されるホルモン(卵胞ホルモン)の影響下で進行します。薬物療法は、その卵巣の働きを抑えたり内膜そのものを萎縮させる薬を使うのです。効く場合もあるし効かない場合もあります。効かない場合でも使っている間は月経は止まっているので、患者さんは使わないよりはマシだと言います。ただあまり長く使っていると、薬によっては肝臓に負担をかけたり骨粗鬆症になったりするので、それにも限度があります(注:平成11年からは低用量ピルが治療法として加わりました。さらに黄体ホルモン附きの避妊リングも効果が期待できます)。最終手段は手術で子宮や卵巣を取ったり癒着を剥がしたりします。

7.子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮に子宮と同じ筋肉からなる瘤ができた状態です。30歳以降の女性であれば3人に1人は何らかの形で筋腫を持っています。
子宮の外側にできた場合は、あまり症状はなく大きくなるまで気がつかないことがあります。しかし、子宮の筋層や子宮の内側にできた場合は、子宮腺筋症と同じように、月経の量が多くなり月経痛も激しくなります。
治療は原則として手術で、筋腫だけ取る方法と子宮ごと取る方法があります。子宮内膜症に用いる薬を使うこともありますが、一時しのぎでしかありません(注:閉経に近い場合は俗に逃げ込み療法といって閉経まで時間稼ぎをすることもあります)。

8.子宮の周りの炎症

女性の体は、赤ちゃんを作るという目的のため、膣、子宮、卵管を通して、お腹の中と外界が通じています。お腹の中は細菌などに対して抵抗力が弱く、細菌が入ると腹膜炎を起こしてしまいます。そのため膣や子宮には細菌の侵入を防ぐ機構が何重にもはりめぐされています。しかし体調の具合によっては、このバリアの働きが落ちて細菌の侵入を許してしまうことがあります。多くは卵管で炎症が起こり、周りの腹膜にも刺激をあたえ、子宮の周りにも癒着が生じます。そんなときに月経が始まって子宮が収縮すれば、ただでさえ痛いお腹がさらに痛くなります。
抗菌薬を服用することで1週間から2週間で良くなります。最近はクラミジアが原因になることが多く、その場合はクラミジアに効く薬をパートナーといっしょに飲む必要があります。いっしょに飲まないとピンポン感染といって、せっかく治っても移したり移されたりするからです。
(次回に続く。次回は第18回で紹介した骨盤内うっ血症候群を中心としたお話です。「えっ、また?もうイヤだよ」なんて言わないでもう少しつきあってくださいよ。われながら生理痛の奥の深さに感心してきました)