院長ブログ カーブ

Close

第58回 忙酔敬語 女性のメンタルケアについて

北見の産婦人科医会の招待で2月16日に「女性のメンタルケアについて」という講演をしました。演題名は去年の暮れから決まっていたので正月明けから準備をしていました。この演題名だと更年期障害について期待されるかもしれませんが、乳幼児期、思春期、成熟期、更年期、老年期、されにそれぞれの年代間での問題などについてと女性の一生のメンタルな問題を盛りだくさんお話しようと企画していました。ところが1月末に講演時間が50分しかないと知りちょっとビビリました。しかし、「なーに、かまうものか」と気を取り直しました。1時間以上も講演すれば、よほど内容と聴衆の皆さんの興味が一致し、話術も巧みでなければダレてしまいます。期待されそうな更年期の部分は5,6分ばかりでふっとばして、乳幼児期を重点に置く作戦でのぞみました。
乳幼児期は人生の始まりですから、この辺をしっかりと押さえておかなければ、後々の人生に狂いが生じます。第47回のブログ「究極のカンガルーケア」で紹介したウガンダのお母さんと赤ちゃんのことを中心にお話ししました。カンガルーケアはウガンダのお母さんのように赤ちゃんの気持ちを察することが出来るお母さんに奨励すべきで、その辺の見極めが大事であると言ったところ、昔、北見赤十字病院で一緒に働いていた助産師さんが頷いてくれたので私のテンションも高まりました。
思春期では月経前症候群、摂食障害、リストカットの問題を取り上げました。摂食障害の治療の根本は育て治しでけっこうエネルギーが必要であること。リストカットの娘を見たら必ず傷をなでながら「どうしたの」と尋ねること。ただ温かく見守るというのは何もしないのと同じで、娘が妊娠したのをうすうす感じながら気づいた時はお産になってしまった例をあげながら説明しました。
成熟期の問題は結婚生活にしぼってお話ししました。第41回のブログで紹介した「夫婦なかよく」が大事で、なかよくする秘訣について、みうらじゅん『マイ仏教』(新潮新書)をネタにしました。
更年期は、「おんなざかり」なので心配しないことと軽くいなしました。また、この年代では自殺者が女性1万人なのに対して男性は2万人で、女性の場合は更年期障害というお墨付きがあるのに対して、男性はどこを受診してよいのか分からないために早死にするのだと更年期の効用について解説しました。
老年期では孤独による「うつ」と、認知症による家族との軋轢について語りました。
さいごに「母と子の問題」:成熟期 vs 乳幼児期、更年期 vs 思春期、老年期 vs 更年期、「嫁と姑の問題」:成熟期 vs 更年期、更年期 vs 老年期といった各年代間の問題を実例をあげてお話しして終わりとしました。
以上の話題を時間内でクリアし、それなりに受けたようなので調子に乗り、2月23日に当院の「健康教室」でもお話ししました。しかし、集まった皆さんは中高年の方々でほとんどが「更年期」を期待していたようで、ちょっとすべりました。6月29日に札幌市医師会館で行われる「家庭医学講座」でも話すことにしましたが、「更年期のメンタルケア」と変更することにしました。興味のある方は札幌市の広報で確認願います。
ところで先週の月曜日(2月25日)に防風林を歩いていると、例年よりも遅く啄木鳥の「カタカタカタカタ」が聞こえました。春はもうそこまでですね。