院長ブログ カーブ

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第337回 忙酔敬語 病院「さん」はキライです

当院開業した当時、薬卸会社のOさんには大変お世話になりました。Oさんは実に仕事の出来る人でした。しかし30代後半の独身。当院の忘年会に招待した際、平均年齢20歳代(あくまでも開院当時です)のスタッフたちを見て、「まぶしくてどこを見ていいのか分からなくて困ってしまいます」と目をパチパチさせていました。
OさんはMRではないのに薬の最新情報をいろいろ教えてくれました。その1、トリプタン系の薬を使用すると偏頭痛の90%が当時発売されていた3種類のうちどれかで効くが、どれが効くかは使ってみないと分からない。その2、欧米ではカンジダ膣炎に対してジフルカン150mgの頓服投与が一般的である。等々・・・。
このジフルカンの投与方法は最近日本でも一般的になりましたが、私はいち早く取り入れました。妊婦さんや睡眠導入薬のハルシオンを飲んでいる人などには使えませんが、男性経験のない女性にとって膣洗浄をする必要がないので、かなり助かりました。
なかなか良い縁がないとこぼしていたOさんですが、その後、出世してきれいな奥さんをめとり、お子さんにも恵まれました。私がこれはと思った人は必ず出世します。
そのOさんにも気になる点がありました。「病院さん」といったぐあいに医療施設などの話題をするときに「さん」づけするのです。Oさんがそう言うくらいだから、今後も「さん」づけ言葉が増えるなとイヤな予感がしたら、不幸にも的中して、テレビのグルメ番組では店を「さん」づけしたりして世にはびこってきました。そして、先日、産婦人科の会議で、尊敬する某大学病院の先生が「渓仁会病院さん」を連発したので、「こりゃもうダメだ」と観念しました。
それじゃあ、お前は勉強会で共催してくださった製薬会社などをどう言っているんだ?と聞かれればこう答えます。
「○○会社の皆さん、本日は大変お世話になり、まことにありがとうございました」
市立病院さん、天使病院さん、北大病院さん、札幌医大病院さん、なんて虫ずが走ってとても言えません。
当院に対して「朋佑会」とか「札幌産科婦人科」と呼ばれても呼び捨てにされたなんて思ったことはありません。他の病院や企業などの人たちも今なら所属団体を呼び捨てにされて怒ることはないでしょう。
しかし、言葉というのものは時間がたつにつれ定着していくので早いとこ手をうたないと不愉快な言葉が蔓延して終始がつかなくなるでしょう。このブログがそのきっかけになることを祈るしだいです。
不快な丁寧語で思い出したのが、鳩山由紀夫元総理の「させていただく」。リンボウ先生こと林望先生もある著書で「『させていただく』という下品な言葉」とこきおろしていましたが、とうとう蔓延してしまいました。一見、丁寧なようですが、「いたします」、「します」、などとくらべて何だかやる気がなさそうに感じませんか? 政治家としては珍しく理系の大学の出身なので道筋をたてた政策を期待していたのに、マニュフェストなどと言って無駄にお金をばらまいて、あげくは宇宙人呼ばわりされて、民主党瓦解の道筋だけを確立しました。
かように変な日本語を使用する人物は要注意なのであります。