院長ブログ カーブ

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第336回 忙酔敬語 ホトトギス

6月6日の早朝、通勤のためJR学園都市線沿いの遊歩道を歩いていたときでした。新琴似9条を過ぎたあたりからカラスやスズメの鳴き声にまじって、
「ピッピッ、ピピピピピッ」という鋭い鳥の鳴き声を耳にしました。何だか聞いたことのあるリズム。そうだ、テッペンカケタカッ、って鳴く野鳥がいたっけ。
医局に着いてさっそくネットで調べたところ、ホトトギスの鳴き声と判明しました。その日はうれしくて、会う人ごとに「ホトトギスの声を聞いたか?」と確認しました。
妊婦さんにに付き添ってきた石狩市在住のお母さんにも聞くと「わたしも聞きました。わたしは道南の松前出身なので、昔はよく聞いたものです。石狩でも最近、聞くようになりました」
その日の外来は忙しくて診療が終えたのは午後6時過ぎでしたが、ホトトギスのことで気分が高揚して疲れは微塵も感じませんでした。いい年してバカですね。
ところが翌日、それに水をさすような事を耳にしました。バードウォッチングにくわしい牧田病院の今井先生によると北海道にはホトトギスはいないとのこと。多分エゾセンニュウであろう。でも、エゾセンニュウが鳴くのは夜間なのでちょっと変だ。
エゾセンニュウ? 聞きなれない鳥です。ネットで調べると声が似ているのでエゾホトトギスとも呼ばれている。ユーチューブで両者の鳴き声を聞きくらべてみました。
ホトトギスの声は私が聞いたのより、やや低音で、エゾセンニュウの声はピッタリでした。やはりエゾセンニュウだったみたいです。さらにエゾセンニュウの声は、テッペンカケタカではなく、ジョッピン(北海道弁で鍵のこと)カケタカッ、で北海道弁で鳴いているそう。北海道でも昔から知られていたのですね。
さて、鳴く時間帯です。今井先生は夜間に鳴くと言っていましたが、翌日の早朝も聞こえたし、帰宅時の夕方6時半過ぎにも聞こえました。一般的には真夜中に鳴くらしいのですが、そんな時間に野外をうろつくことはないので確認していません。
まあ、ホトトギスでもエゾセンニュウでもかまいません。新しい野鳥が近辺に現れたのは歓迎です。思えば、20年ほど前までは新琴似の西の方でヒバリのピーチクパーチクや手稲の方からはカッコウのさえずりがよく聞かれましたが最近はサッパリです。屯田防風林でのキツツキのカタカタやウグイスのホーホケキョもめったに耳にしなくなりました。なんだか寂しくなったものだと思っていたので、ことさらうれしくなりました。
一時、劇的に減少したスズメはその後すっかり回復して、5月27日の日曜日の夕方、家庭菜園で一仕事した帰り道、赤信号のため停車していたら、右手の歩行者用の信号機のあたりからチュンチュンといつになく興奮したスズメの声。見ると信号機の上で若い2羽のスズメがさかんに交尾していました。中学生のとき友人がスズメの交尾はチョンチョンとそれは可愛らしいものだと教えてくれ、オレもいつかはお目にかかりたいものだと思っていたら、半世紀もたって、それも住宅地のまっただ中で観察できたのです。
「ともこレディースクリニック」の佐藤智子先生に話したら、「『半分、青い。』の鈴愛のことかと思った」と目をまるくしました。私の説明の仕方、あるいは滑舌が悪いため誤解をまねいたのでしょう。とにかく大笑いでした。
屯田の自然はまだまだすてたものではありません。