院長ブログ カーブ

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第301回 忙酔敬語 花の美しさ

もう、札幌はほとんど冬。菊以外の花は枯れ果ててしまいました。葉が落ちた樹木を眺めるのも悪くはありませんが、はやり春が来て若葉が芽吹き花々が咲くのが楽しみです。
昔は花なんか見てもどうという感慨もなかったのに感受性が増したのかなあ、オレの心はまだ新鮮だぞ、と思っていました。
ところが朝日新聞の「折々の言葉」(鷲田清一 2017.5.4)を読んで愕然としました。

<若いとき、ひなげしの花びらを通して輝く光に心を奪われる時間があったろうか。
メイ・サートン

年齢によって人は異なる現実にふれる。不死身の青春、生業に忙しい中年を経て老いを迎え、こんどは「生きること自体」を玩味するようになる。若者に「手を貸す」喜びももてるようになる。そういう変化と成長のなかにこそ人生の「冒険」はあるのに、どうして「若さ」にばかり人はこだわるのかと、米国の詩人・小説家は訝しむ。『夢見つつ深く植えよ』(武田尚子訳)から。>

そうか、オレも年をとっただけなんだ、とネガティブな意味で納得しました。
子供の時は淡くて、はかなげなコスモスがきらいでした。それが最近はいとおしく思うようになりました。日の光がとおればなおさらです。
はかなげな花がすべてイヤかというと、そうでもなく、ツユクサの可憐な青は小さいながらクッキリしていて好きで、今でも大好きです。一時期、ほとんど見ることがなくなり絶滅危惧種かと心配になりましたが、今年は当院の駐車場の片隅にもよく咲いていて、嬉しいかぎりでした。
青いシジミチョウもツユクサの昆虫バージョンみたいで、同じように愛でていましたが、これもこの数十年はとんと見かけなくなりました。それが今年は久しぶりにあちこちで飛び回っていました。良かった良かった♪♪
そう言えば、対馬で発見されたカワウソはDNA鑑定の結果、韓国から流れ着いた亜種の可能性が高いそうです。韓国のカワウソは河川の汚染対策で絶滅から免れました。
それでも調査代表者は「狭義のニホンカワウソの可能性は低い」としながらも、「日本にカワウソが復活したとは言える」と話していたとのこと。シブトイですね。もちろんカワウソではなく代表者が。
さて、メイ・サートンは、若者に「手を貸す」喜びについて触れていましたが、その辺はまだ未熟な当方、せいぜい昔の自慢話をするだけで、このままだと若者に嫌われるぞとハタと気づきました。
思い起こすに6月に名古屋で開催された東洋医学会の帰り、空港行きの電車で旭川医大の可愛らしい女子学生と隣り合わせになり、空港までの30分余りと空港での1時間近く、とうとうと自慢話をしました。まるでナンパです。可哀想なことをしました。
最近あちこちの医療大学や専門学校で講義をするようになりました。これからは「手を貸す」喜びを実感するように努めようと決意したしだいです。