院長ブログ カーブ

Close

第272回 忙酔敬語  絶滅危惧種と外来種 

トキなどの絶滅危惧種(本当はすでに絶滅していて今いるのは中国産)については、世間ではそれ大変だ!とばかり特別な待遇をしています。それに対してもともと日本にはいなかった外来種に対しては残酷です。
千葉県の動物園で飼育していた164頭のニホンザルのうち57頭が特定外来生物のアカゲザルの交雑種と判明し駆除されました。ありていに言えば大量虐殺です。生態系を崩すおそれありとの理由ですが、人間の身勝手さに怒りを覚えました。
そもそも日本の生物は稲からはじまって外来種ばかりです。世界的に見ても新大陸からトウモロコシやジャガイモが外来種として世界中に広まって多くの人の飢えを救い、その結果、世界の人口は爆発的に増加しました。
それに対して都合の悪い生物は特定外来生物として目の敵にされています。
昔はのんびりしたもので、小学生のときに動物の図鑑を見ていたら帰化動物としてヌートリアなどが紹介されていて、こんな可愛らしい動物が日本に住むようになったんだ、とトクをした気分になったものです。
外来種のために日本固有の生物が絶滅危惧種になると言われていますが、他の生物を絶滅に追い込む最大の種は人類です。
今まで地球の生物は何度も絶滅の危機に遭遇しています。有名なのが6500万年前の巨大隕石の衝突による恐竜時代の幕切れ。さらに史上最悪の2億5000万年前の危機。原因はよく分かっていませんが三葉虫など海生生物の96%が死滅したと言われています。
そして現代。今や人類が生態系に大きな影響をおよぼして今後100年以内に地球上の半分の種が絶滅すると警鐘を鳴らしている学者もいます。第3の絶滅危機です。
日本だけ見てもこれまでトキをはじめニホンカワウソなど多くの動物が絶滅しました。ニホンオオカミやエゾオオカミに関しては狂犬病などの伝染病説もありますが人間も少なからず関与しているようです。
自分でこんなことをしておいて、よくもまあ罪のないサルたちを駆除したものです。
ニホンカワウソとほとんど同種のカワウソが韓国に生息していますが、全滅寸前に環境汚染に気づいた韓国政府の政策によってあやうく全滅を免れました。そのうちトキみたいに日本に移住させて、ワーイ、よみがえった、とハシャグかもしれません。
ここで頭を冷やして進化の歴史を考えてみると、生物の絶滅はいたしかたないないことなのかもしれません。恐竜時代をみても三畳紀、ジュラ紀、白亜紀と恐竜は絶滅と進化をくり返しています。大哺乳類の時代に入ってもオオナマケモやマンモスなどの動物が現れては絶滅しています。人類の狩猟が原因ではという説もありますが、当時の原始的な狩猟で絶滅に追い込めるでしょうか? 気候の変動による餌となる植物の存亡が原因と考える方が妥当でしょう。
ホッキョクグマも絶滅危惧種となっていますが地球温暖化によって餌場が減少したためで、直接人間が手を下したわけではありません。もちろん温暖化は人間のせいです。
その温暖化については現在はたんに間氷期で、いずれ氷河期になるであろうと、トランプ大統領を喜ばせるような学説もありますが、そのいずれかとは4,5万年も先のことらしい。はたして人類も含めてどの生物がどれほど存続しているのやら予想もつきません。