院長ブログ カーブ

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第270回 忙酔敬語 カロリーメイト

「がんばれワカゾー!」
けっこう好きなCMでした。しかし、カロリーメイトそのものにはまったく興味なし。 食事は「○○が3度のメシより好き」と言うほど大切なものです。それをビスケットみたいな物ですますだなんて限りある人生の楽しみを減らしてしまうことになります。勿体ないにもほどがある。CMのワカゾーは食事どころではない状況でしたが、もともと健康なのでいずれ腹が空くはず。そのとき好きな物を思いっきり食べればよいのです。カロリーメイトなんて余計なお世話です。
ところが最近、評価が変わりました。大塚製薬の営業マンがカロリーメイトのゼリータイプを紹介しに来て、サンプルとしてアップル味を4パック置いて行きました。
なんだこんな物、と思いましたが、これがけっこうスグレモノ。
つわりで入院していた患者さんに試しに1パック飲んでもらったところ、とても喜んでくれたので残りも全部さし上げました。おかげで早く退院できました。
カロリーメイトゼリーは200mlで200kcalあります。値段もほぼ200円。1ml1kcalで1円です。覚えやすいですね。5%ブドウ糖液500mlの点滴1本分以上の栄養です。 それからは外来で入院するまでもないつわりの妊婦さんにカロリーメイトを勧めるようになりました。ゼリーはまだ普及していないかもしれないので、店にないときは缶入りのドリンクを買えばいいと説明しています。
念のため、カロリーメイトの成分を調べてみたら、ブロックタイプも缶入りもタンパク質、糖質、脂質、ミネラル、ビタミンなどほぼこれだけで生きていけるだけの栄養が摂れるようになっています。感心なことに食物繊維まで入っていました。
ところがゼリータイプにはブロックやドリンクに入っていたビタミンCの記載がありません。
さっそく営業マンに電話して「いかがなものか」と問いただしましたが、要領の得ない返事でした。
小中学生の頃、ビタミンCが不足すると壊血病になると教えられました。なんでも歯茎から血が出るようになって最後はボロボロになって死んでしまうそうな。
でも日本ではまずお目にかかることはありません。大航海時代、長い船旅をするようになってから知られるようになった病気です。
はじめは伝染病と思われていたそうです。ある船長が壊血病になった船乗りを孤島に捨て置きました。飢えた船乗りはしかたなくその辺の草を食べました。後で様子を見に行った船長はピンピンと元気な船乗りを発見したことで栄養不足と理解されるようになりました。それからは長い航海には果物が食料に加えられるようになりました。そう言えばスティーヴンソン著『宝島』で、ジム少年が悪党どものひそひそ話を聞くためにリンゴ樽に隠れる場面がありましたっけ。
というワケでビタミンCくらいで目くじらを立てることもありません。ジュースの1本でも飲めばすむだけのことです。
しかし、やっぱりゼリータイプだけにビタミンCが入っていないのは気になるなあ。今後もしつこく追求していくつもりです。