佐野理事長ブログ カーブ

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第23回 忙酔敬語 「新ふじ」の蕎麦

「新ふじ」は私が行きつけのお蕎麦屋さんです。土曜日の外来が終わったときに行くので、月に2,3回行くことになります。注文するのはほとんど盛り蕎麦の大盛りです。ここの蕎麦はふつう盛りでも他の店よりも量が多く、大盛りはかなり食べ応えがあります。2・8(小麦が2で蕎麦粉が8の割合)の手打ちの田舎蕎麦で豪快な太麺です。私は歯に自信がありますが、この蕎麦はかなりアルデンテなので軟弱にも「麺柔らかめでお願いします」と注文しています。蕎麦は落語のようにツルツルと早く食べ終われると思いきや、「新ふじ」の蕎麦は太いのでツルツルとはいきません。モソモソとしっかり噛まないと胃に固形物が投入されたような異和感を覚えるので、早食いの私でも病院での食事よりも時間がかかるくらいです。まさに男の蕎麦です(でも女性のお客さんもけっこういて、私のカミさんもときどき食べに来るようです)。
私は物心を覚えてからラーメンが大好きでスープも全部飲んでいました。そして今も好きですが、この年齢になるとラーメンのコッテリ感を体が「危険だ」と察知するようになり、外ではほとんど食べなくなりました。当院でも昼食にたまにラーメンが出ることがありますが、けっこう美味しく、薄野のラーメン横丁のよりも上だと思います。しかし、ラーメンは塩分が多く、私のようにスープまで飲むと1日量をはるかにオーバーするので妊婦さんにはおすすめできません。浮腫みやすい人に限ってこういった物が大好きで、妊娠中毒症(現在では妊娠高血圧症候群とか妊娠高血圧腎症といいます)で入院させた妊婦さんに、よりによってラーメンが出され、スープまで全部飲んで「美味しかったです」とニコニコしているのを見て、「食事のオーダーを出し忘れていた」と悔やんだことがありました。最近は妊娠高血圧症候群の妊婦さんに対して以前ほど食塩の制限を厳しくすることはしていませんが、それでも足の浮腫みの妊婦さんにラーメンを控えるように指導したところ、「指輪が抜けるようになりました」とラーメンの恐ろしさが身にしみたようでした。
「新ふじ」は今年の春に微妙にリニューアルして、その際、「特盛り」なるメニューが加わりました。ふつうの盛りそばの倍量で、注文するお客さんは1日に1人か2人しかいないということです。先日、それにチャレンジしてみました。それこそ「ドバコンッ!!」とザルからあふれんばかりの蕎麦が出てきました。食べても食べても蕎麦の山は低くなりませんでした。やっと蕎麦湯を飲み終えたときは20分近くにもなっていました。お腹はパンパンで、さすがにもうこれきりにしようと思いました。値段は「ふつう盛り」で500円、「大盛り」で600円、「特盛り」は700円とかなりリーズナブルです。場所は新琴似4番通りに面しており、和菓子の「柳月」の東側にあります。