院長ブログ カーブ

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第196回 忙酔敬語 まどかレディースクリニック

10月1日、札幌の一等地に「まどかレディースクリニック」がオープンしました。くわしくはネットで検索してください。とにかく立地条件が良い。ビルの地階が地下鉄大通駅1番出口で、雪や雨風に曝されることなく受診できます。
内覧会の夕方、すぐ近くの北海道医師会館で小会議があったので早めに行ってクリニックを訪れました。まず入り口にならんだお祝いの花からチェック。当院からは郷久理事長と私からそれぞれ1つずつの花束が並んでいました。挨拶もそこそこに受付から待合室のロビー、問診室、診察室、検査室、心理の面談室となめ回すように見て回りました。
私はお世辞の言えないタチで、普通だったら「わあ、キレイでうらやましいなあ」と言うところを「最初はどこでもキレイだ」から始まり、上質の絨毯を敷き詰めたロビーを指さして「ここでゲロしたらどうするんだ」、待合室の椅子の手すりを触りながら「こんなにスルドク曲がっていたら子供が転んだときケガをするぞ」、「患者がひっくり返ったときはどこに寝かせるんだ」などと気になったことをズバズバ言ってしまいました。そして検尿に関しても実際にクリニックの向かいにある女子トイレまで検体を入れるポシェットを持って行って小窓に入れる操作までしてみました。最後には自動ドアを開閉させて閉じる瞬間にすき間に手を入れて安全性のチェックをしてから、やっとロビーの椅子に腰をおろしました。イヤなオヤジですね。自分の所はスタッフまかせで、こんなことまでしていません。親心みたいなものかしら・・・。これもキモイですね。
円先生は少しも動じることなく、ニコニコしながら絨毯の汚れの部分は切り取って張り替え可能であること、ひっくり返った患者は診察室のベッドに寝かせるなどと説明し、さすが、対応のシミュレーションは完璧でした。
受付のお嬢さんたちも接遇マナーをしっかりマスターしていて終始、JALの客室乗務員のように笑顔を絶やすことはありませんでした。当院は郷久理事長の方針で個人の自然な行為にゆだねているのでここまではしていません。土地柄もあり私もそれで良いと思っています。でも、垢抜けて格好いいなあ。
円先生は自分の人生は自分で切り開いて行く強い意志の女性です。産婦人科の心身医学を志して大学院に入りましたが、必修の1ヵ月の他科の臨床のローテーションとして精神科を選択しました。多くの院生はすぐに役立つ麻酔科を選ぶのに前代未聞です。精神科の患者さんの信頼も厚く、円先生を指名したため時間外の診療もしたそうです。心身医学をきっちり学ぶために心療内科のメッカである九州大学へ6ヵ月の国内留学をしました。九大の医局にもすっかり溶け込んで、慰安旅行に行ったときの記念写真を見ると例のニコニコ顔で新進気鋭の医局員になりきっていました。
それに対して私は、人生での決断は郷久門下に入ったことだけ。その後は流されるままに生きてきました。円先生は開業するにあたって私に何かと相談しましたが、あまりにも要領を得ない返事をするので、「あっ、分かった。先生はご飯出来たわよ、って(みたいに何もしないで)呼ばれた人なんですものね」とスルドク突っ込まれました。
開業後も円先生は義理堅く毎週月曜日に当院で診療されていますが、いずれは忙しくなって来れなくなるはずです。本来はそれが当たり前なのですがチョット残念・・・。こうゆうのをアンビバレンスって言うんでしょうかね。