佐野理事長ブログ カーブ

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第173回 忙酔敬語 SAPICA

東京オリンピックに合わせて新幹線が開通したように、札幌も冬季オリンピックに対応すべく地下鉄南北線が開通されました。騒音が出ないように東京モノレールのマネをしてゴムタイヤの車両です。はじめて乗ったとき、摩擦熱のためゴムの焦げるニオイがしました。今はニオイに慣れたのか、あるいはゴムタイヤを改良したためかニオイは気になりません。雪国札幌にとって地下鉄は画期的な交通手段です。ただし、私にとって2,3、問題点がありました。
まず、自動改札機が導入されたこと。乗車券を改札機に斜めに入れたためガシャンと行く手を阻まれました。係員が来て早速お世話になりました。2回目、左手で切符を入れて右側の改札口を通過しようとしたため、またもやガシャン。当時、私は札幌医大の受験に落ちて浪人の身で、心は弱っていて、こんなことでもトラウマになり、しばらく改札機を通るのに恐怖を覚えました。
その後、いちいち切符を購入しなくてもウィズユーカードなるものが登場し、3000円分をまとめ買いするようになりました。1000円ではすぐなくなるし、5000円以上だとなくしたら大変なので、このあたりが分相応でした。
長年愛用していたウィズユーカードは昨年をもって発売終始となり、SAPICAの時代となりました。
このタッチ式の乗車方式をはじめて経験したのは6年前に香港へ行ったときのことでした。お世話をしてくれた中文医科大学の老教授がそれは親切な方で、カードの購入から使い方まで手を取るように教えてくれました。もたもたとカードを通すのとくらべてワンタッチでスムーズに通過でき、つくづく便利な物だと思いました。
しかしながら私はロウテク人間で、香港のように教えてくれる人がいないので、販売機の前に立ってもSAPICAの購入の仕方が分からず呆然としました。高橋 円先生にそのことを話したら笑いながら「私が買ってあげましょうか」と世話女房のように言ってくれました。それではあまりにも情けないので、意を決してまず2000円をゲット。さて、2000円を使い切ったらどうするか? たまたま乗車人数の少ない北34条駅に降り立つことがあったので駅員さんに訊いて更新の方法を教えてもらいました。現在、5000円SAPICA2回更新したのを使っています。
当初、札幌の地下鉄は北24条駅からオリンピック会場の真駒内駅まででした。その後、南北線は北24条駅から北34条駅、麻生駅と延長され、さらに東西線、東豊線と3つの路線が運行されています。ところが利用者が今一つで経営は苦しいようです。東豊線はその最たるものでした。しかしファイターズ人気から札幌ドームへの利用客が増え何とかチョイチョイとなり、さらに清田まで延ばそうかという案まで浮上しています。勝手な意見ですが、私個人としては乗客数がベスト3の麻生駅をもう一つ延長して屯田駅なるものを作ってくれたら、当院を受診する患者さんにとって便利でありがたいと期待しています。
私は基本的に車の運転がキライです。駐車場の問題、省エネの問題、その他のトラブル・・・。通勤時、歩きながら一人一人がマイカーに乗っているのを見ると、つくづくもったいないなあ、と思います。私みたいな人間ばかりだと経済発展には貢献できないでしょうが、健康のためにも地下鉄中心の生活をおすすめします。