院長ブログ カーブ

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第165回 忙酔敬語 第三の男

女性の再婚禁止期間6か月の見直しが最高裁判所で検討されています。法律は明治憲法を基盤としていて、再婚して生まれた子が前夫の可能性を否定するためにあります。また、離婚してから300日以内に生まれた子は前夫の子とみなされます。
昨年、遺伝子鑑定で自分の子でないと分かっていながらも親権を主張している男性に対して最高裁は親権を認めました。最高裁の5人の担当判事の中でもけっこうもめて、結局3対2で男性の請求が認められました。私は常々、産科医として女性にとって子供はカラダの一部と認識しているので、この判決に憤怒逆上し、その後の選挙で最高裁判事5人全員にペケを附けて投票しました。後で高橋 円先生に担当したのは別な判事だと笑いながら教えられ、いたく恥じ入りました。
さて、今回の話題ですが、基本として女性の人権に対する認識の問題があります。最近、日本でも離婚率が増えて、古い考えの人たちはゆゆしきことととらえていますが、私は良いことだと思っています。
心身症で受診する患者さんの中には少なからず、うつ病ではないかと思われるケースがあります。うつ病の原因として、体質的なものと心因性のものがあります。体質的な場合の多くは悪化することがあるので精神科の先生にお願いしなければなりません。心因性の場合は何か原因となるエピソードがあるので、その辺のところを確認します。
大阪樟蔭大学の甲村弘子先生によると「うつ病をきたした要因」として、「夫との関係」が27%とダントツでトップ。続いて「仕事のストレス」と「介護」がそれぞれ17%、「退職」10%、「子供の自立」と「健康の不安」が8%、「離婚、別居」と「引っ越し」5%でした。「夫との関係」が「離婚、別居」よりもはるかに多いでしょ。
これは外来の患者さんを診ていても実感することです。「これは離婚するしかないな」と思われる患者さんは結構います。そして、すったもんだしたあげく離婚すると、とたんに元気になります。女性は強いですね。だから離婚大賛成なのです。今までに一度、患者さんに頼まれて離婚届の証人の欄に署名をしたことがありました。さすがに心理士のおネエさんは「先生、そんなことをして良いんですか?」と呆れたような、心配そうな顔をしましたが、「これで良いのだ!」と自信を持って言いきりました。その後、その患者さんとスーパーなどでお会いする機会がありましたが、元気な笑顔を見せてくれていました。その頃の私はテンションが高くてそんなことをしましたが、さすがに今はしていません。だから「それなら佐野に証人になってもらおう」なんて思わないでくださいね。
離婚後、300日をたたずにお産をした場合、産科医は懐妊時期についての証明書を書かされます。先日、これを書いているとき、ニヤリと笑いがこみ上げてきました。
「こんな物を書いたって『第三の男』がいるかもしれないじゃないか!」
生まれた赤ちゃんの父親の推定なんて女性本人でなければ分かりません。前夫か今の夫以外にも「第三の男」あるいは「第四、第五の男」だっている可能性があります。別に女性の人間性を疑っているいるワケではありませんよ。作家の桐島洋子さんには4人のお子さんがいますが父親は全部違うそうです。アッパレですね。
最近、儒教の国の韓国で「姦通罪」が廃止されました。日本の女性の自立指数は世界最低レベルだそうです。もっと女性が自由に生きられるように応援するしだいです。