院長ブログ カーブ

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第153回 忙酔敬語 リーダーがボンクラでも・・・

今年の話題で気になった出来事に小渕優子大臣の辞任がありました。政治と金の問題が命取りになりました。取り巻きがやったことで本人のあずかり知らぬことだったと思います。旧態依然としたスタッフの行動が足を引っ張ったのです。
「知らなかったではすまされないと思います」
この一言で「小渕さんはやめる覚悟だな」と確信しました。
高島俊男先生の『三国志 きらめく群像』によると、人には「かつぐ人」と「かつがれる人(乗り手)」があるそうで、「かつぐ人」の筆頭として荀彧をあげています。一般には諸葛孔明が「かつぐ人」として有名ですが、「かつぐ人」の能力で一番大切なのは「乗り手」を見きわめる眼力です。その点、ボンクラな劉備よりはるか格上の曹操を選んだ荀彧の方が上なのです。もっとも孔明には劉備しかかつげない事情もありました。
いきなり話がそれました。
要するに当院において私は「かつがれる人」、スタッフは「かつぐ人」です。小渕さんの場合は「かつぐ人」たちがボンクラだったため、あんなことになりました。
したがって対岸の火事ではないといたく印象に残ったのでした。
先輩のA先生に「佐野は劉邦型のリーダーだな」と言われたことがあります。
劉邦は漢の高祖です。ヤクザの親分みたいな人で、とくにすぐれた能力はなかったのですが、戦略(軍師)の張良、名将 韓信、後方支援の蕭何など多くの「かつぐ人」に恵まれました。かたや楚の項羽は戦の天才でしたが范増の他にめぼしい家臣はなし。たとえいても陳平のように劉邦がわに寝返ったりして、とうとう劉邦にやられてしまいました。
A先生の言いたいのは「佐野はそっせんしてリーダーシップをとるタイプではなく、スタッフの言うことを聞くことで何とかやっているんだな」ということです。
さすが私が入局したときに直接指導してくれた先輩、オレのことをよく見抜いているなと感じ入りました。悪く言うと、ボンクラだがスタッフに助けられているという意味になりますが、褒め言葉としてありがたく受け取りました。
こんな小さなクリニックでも、受付、事務、外来、病棟、厨房、清掃など、気を配らなければならないことは多岐にわたってあります。私は本来、臨床屋ですから、患者さん相手の仕事以外は不向きというか、よく分かりません。ほとんどスタッフに丸投げです。「オレって発達障害かもしれない」と思うこともしばしばです。
そんなボンクラな私ですが、おかげさまでスタッフには恵まれています。このホームページもスタッフの発案で始めたものでした。「院長のブログ」はその中の一貫で、当初は「こんな面倒なこと、イヤだな」と思っていましたが、だんだんハマって止めどもつかなくなりました。
ここで思い出したのが郷久理事長のことです。郷久先生は、いろいろなアイデアを考え出す人で、勉強会、健康教室、学会活動などを押し進めています。私のようにかつがれっぱなしではありません。ただし、欠点は長続きしないこと。院内の勉強会もいろいろ企画しては頓挫しています。しかし、ワンポイント・レッスンとして週に2回の、ちょっとした勉強会は私が十年以上も引き続いて行っています。プリント1枚程度の内容ですが、続けるのはけっこう大変です。私もときには「かつぐ人」になっているようです。