院長ブログ カーブ

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第152回 忙酔敬語 またもや学会でたたかれる 

いろいろないきさつから私は全日本鍼灸学会に加入しています。会員のほとんどは鍼灸師の先生たちですが、私のように少数ながら医師もいます。5月に松山で開催された全国大会で腰痛の部門で発表したところ、大いにたたかれたことは第125回のブログで述べました。
先月も札幌の地方会で症例報告をしました。私の前の演題は鍼灸学校の先生たちが中心で学術的な内容でした。私の演題は「鼻づまりによる窒息感を訴える症例」で、もともと鬱病で治療していた患者さんが、風邪をきっかけに1ヵ月近くにわたって「鼻が詰まって死にそう」と毎日のように電話相談してきたという内容でした。もちろん耳鼻科には2軒受診していていずれも異常なし。ほとほと困り果て、たまたま昨年の鍼灸学会で帯広の吉川正子先生に相談したところ、「肝経に治療してみては」というアドバイスを受けました。さっそく試みたところ、一回の治療で窒息感はなくなりました。私も患者さんもビックリでした。
会場には、松山で私をイジメた先生がいたので、まず「お手柔らかに」と言って発表したのですが、またしても、
「効きもしないプラセンタの注射をなぜ毎日したのか?」
「画像診断はきちんとしていたのか?」
「耳鼻科を2軒受診したそうだが、私の場合、3軒目で重大な結果が出たことがある」
「だいたい、先生の発表は松山でもそうでしたが、胸のツボにチョコッと円皮鍼を貼って腰痛が治ったなど、腰痛に対する系統的な診断がなされていません」
タジタジとなりました。
「誠にごもっともです」と言ってとりあえず発表は終えました。
休憩時間に入ってすぐにその先生のところに行って、
「ご指摘ありがとうございます。しかし、最近の見解では、嗅覚に異常がなければ脳などに重大な影響をあたえることはないそうです」と言い訳をしました。
「そういう大事なことは発表の中で説明してくださいよ」
これで一応は一件落着。会場を出るとき、そっと「先生の演題、面白かったですよ」と言ってくれた先生がいたのが救いでした。
しかし最近の見解とは、実はNHKの「ためしてガッテン」で得たネタでした。ちょうどその頃、タイミング良く「副鼻腔炎」のテーマで放送があり、放っておくと脳炎になって命にかかわることがあるが、ニオイが感じられるようなら心配ないと解説していました。しかし、まさか「ためしてガッテン」で得た知識と言えません。
いったいに鍼灸学会の学術講演会は生真面目で、考察について学術的な説明をきちんとしないと許されない雰囲気です。5年前に香港の大学で講演したことがありますが、アメリカ的な雰囲気で演者は必ずどこかで笑いをとっていました。こちとらは英語がダメで発表まで「困った、困った」と焦っていましたが、さいわいにも5ヵ所、笑いをとることが出来ました。こうした不真面目ともとれる態度もお気に召さなかったのかもしれません。
また、腰痛とか鼻閉とか、自分の土俵以外で勝負したのも敗因でした。来年は産婦人科の領域でリベンジしようと誓いました。