佐野理事長ブログ カーブ

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第126回 忙酔敬語 十五で姐やは嫁に行き

4歳と1歳のお子さんの育児をしているお母さんが疲れ果てて受診しました。ご主人も仕事の途中かスーツを着て1歳の子を抱いて一緒に付き添ってくれました。ご主人が出来るだけ子育てに協力しているのは明らかですが限度があるようです。こういった場合はふつう実家の援助を受けるものですが、実母も働いていて忙しいというのです。保育園での子育て支援という手もありますが、専業主婦ですし特に病気があるわけではなく、本人自身がまだそこまで考えていないので、これは最後の手段としました。
そこでふと思いついたのが『赤とんぼ』の歌詞でした。

夕やけ小やけの赤とんぼ
負われて見たのはいつの日か

山の畑で桑の実を
小篭につんだはまぼろしか

十五で姐やは嫁に行き
お里のたよりも絶えはてた
(四番省略)

私はオッサンになるまで「負われて」を「追われて」とカン違いし、赤とんぼが子供に「追われた」のか、子供が赤とんぼに「追われた」のか、何だか分かんない歌詞だなと思っていました。本当は子供が姐やに背「負われて」赤とんぼを見たのですね。三番目の「十五で姐やは嫁に行き」で気づけばいいのにうかつでした。
清水義範さんによると昔の都会の中流以上の家庭にはどこでも若いお手伝いさん、すなわち姐やがいて子守をしていたそうです。現在とは違い電化製品はなく家事はすべて手仕事、女中さんも必要でした。私のとなりの家にも女中さんが寝泊まりしていました。
このご家庭にも姐やをやとってみてはと提案しました。もちろん半分冗談ですけど半分は本気です。現在、姐やの年頃の女の子のほとんどは高校生です。学校へ行っても勉強するわけでもなくスマホをいじくっている子が多いそうです。そんな女の子に時給700円くらいで姐やになってもらうのです。やはりそこは女子、母性本能がくすぐられて「わぁ、かわいい!」と言って喜んで働いてくれることでしょう。私も幼少のみぎりクレヨンしんちゃんみたいに、母よりも、キレイなお姐さんに抱っこされる方が好きでした、ハイ。
以前、イジメなどで不登校になった女子高生のカウンセリングをしたことがありました。気立ての良い子で別に高校に行かなくてもいいのにと思いました。そのうちその子のお母さんが妊娠して17歳年下の弟が生まれました。女の子はすっかり喜んで赤ちゃんを抱いたり世話をしたりして充実した日々を送れるようになりました。
そんなわけで姐やをやとったらと提案したのです。ただし、まだすべてを任せるのは危なっかしいので、お母さんの目の届く範囲で赤ちゃんを抱っこさせると良いでしょう。それでもお母さんの負担はかなりラクになると思うのですがね。