院長ブログ カーブ

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第121回 忙酔敬語 夏のきざし

久しぶりに季節の話題です。
今年は春の訪れが遅く、例年だと2月には聞こえるキツツキの木を突く「カタカタカタカタ」という音も、3月14日にやっと確認出来ました。3月に入ってもドカ雪が降ったりして「いつになったら雪が溶けるのだろう。早く重い防寒靴を軽いスニーカーにはきかえたいなあ」と春を心待ちにしていました。中途半端な雪道は不愉快です。防寒靴のスパイクがアスファルトにカチンカチンとぶつかり、それが脳天に響くからです。そこで雪の溶けたところは避けて、わざわざ雪の部分を選んで歩きます。道行く人はさぞかし「変なオジさんが歩いている」と不審に思ったことでしょう。
4月24日、突然、気温が22度と10度も上昇。25日の当直明けの26日は25度で夏日となりました。その日は土曜日なので昼過ぎに強い日差しの中をジャンパーを脱いで帰りました。驚いたことにクロッカスや水仙はもちろん、レンギョウや白蓮まで咲いており、札幌はいきなり初夏になっていました。スジグロチョウもヒラヒラ元気に舞っていて、「こいつら、よくもまあ寒空の下で葉っぱを食って頑張っていたもんだ」と感動しました。  このように花やチョウチョは気候に応じて器用に生きていきますが、人間はダメですね。季節の変化は体調に影響します。その週は、不正出血を訴える患者さんが1日に5人以上も訪れました。午前中は、仕事上などのストレスによるものかと思って診察していましたが、7人目の患者さんに至って、気候の変化も影響しているんだなと気づきました。「今日は出血の患者さんが多い日で、○○さんで7人目です。多分、季節の変わり目のせいでしょう。あまり無理しないでゆっくり休んでくださいね」。患者さんはホッとした様子でした。こうした点では、後から来た患者さんはトクですね。
同じ診療施設で18年も働いていると、季節の変化が女性のカラダにおよぼす影響を間近に感じ取れるようになります。私は生まれてこのかた、5年以上定住したことはほとんどありません。放浪癖というわけではなく、子供の時分は父の転勤にともなう引っ越し、医者になってからは大学から地方の病院への出張など、あちこち転々としておりました。小学校も2回転校しましたが、別に苦には思いませんでした。地方の病院への出張もその土地土地の風情を楽しんでいました。ですから開業して5年もたった頃は何だか尻がウズウズして落ち着かない気分になったものです。
もともと、屯田から茨戸にかけてはちょっと憧れていたこともありました。丘珠空港で飛行機に乗ったとき、茨戸川が悠然と流れるなか、まわりには人が住んでいる気配もまばらで、「札幌にもこんな所があったんだ、いつか住んでみたいな」と思いました。そしてまさか18年以上も住むとは予想だにしませんでした。
開院当時は、この辺はめぼしい建物は何もなく、当院の建設候補地は、石狩街道沿いの角地、現在イトーヨーカ堂がある場所など四ヵ所ありました。そのなかで実際に立ってみて気分が落ち着く当地を選びました。今では、近所にジョイフルやヤマダ電機などもあり、とても便利になりました。ここを選んで正解でした。それでも当院のまわりは、まだ自然が残っていて、スズメやカラス以外、ヒワ、セキレイなど様々な鳥が集まって来ます。
現在、まさに百花繚乱。通勤していて一番気分の良い季節です。ただし、年齢的に顔にシミが出来ないよう日焼け止めを塗らなければなりません。