佐野理事長ブログ カーブ

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第534回 忙酔敬語 人口動態から分かること

 ロシアが不条理な戦争をしています。世界中こぞってプーチンのことを悪し様に言っていますが、ロシアはどうしてこんな選択をしたのでしょう? はっきりとした根拠が知りたくて世界の人口ランキングを調べてみました(2019年、万以下切りすて)。

順位 国名総人口男性の人口女性の人口
中国14億4418万7億3935万7億0251万
インド13億3664万7億1013万6億5628万
アメリカ3億2906万1億6282万1億6623万
インドネシア2億7062万1億3627万1億3435万
パキスタン2億1656万1億1144万1億0511万
ブラジル2億1105万1億0373万1億0731万
ナイジェリア2億0096万1億0183万9913万
バングラデシュ1億6304万8247万8057万
ロシア1億4587万6760万7826万
10メキシコ1億2757万6240万6517万
11日本1億2686万6195万6491万
12エチオピア1億1207万5609万5601万

 ちなみにウクライナは33位で、総人口4399万、男性20379万、女性23615万です。

 あんな広大なロシアの人口が日本よりちょっと多いくらいです。ソ連時代は豊かなウクライナをはじめ様々な国が含まれていたので全体として2億人以上ありました。

 寒いロシアは人が住めるところや港になるところが少なかったので、伝統的に南下政策をとってきました。日露戦争もその一端です。ナイチンゲールで有名なクリミア戦争では手痛い敗北を喫し財政難に陥り、当時はお荷物だったアラスカをアメリカに720万ドルで売り渡しました。アメリカにとってあまりにデカイ買い物だったので、得をしたのか損したのか分かりませんでしたが、20世紀に入ってチャップリン映画『黄金狂時代』で知られるゴールドラッシュに湧き、結局は良い買い物だったということになりました。

 ナポレオン戦争やナチズムとの戦いでは広大な国土を利用して引くにいいだけ引いて、いわゆる焦土作戦を行い結果的には勝利へ導きましたが、被害も大きく鮮やかな勝利とは言えません。かようにロシアは政治・戦略とも下手くそな国ですが医療はまあまあです。

 いわゆる先進国では女性の占める割合が男性よりも上回っているのが分かりますね? 開発途上国で女性の人口が少ないのは、分娩によって命を失う事例が多いためではないかと私は考えています。産科医・助産師がいかに大事か分かるでしょう、エヘン!

 ロシアはソ連時代から女性医師が男性医師よりも圧倒的に多かったので女性に手厚い医療をしてきました。私が小学生の頃、日本でポリオが大流行したとき、ソ連から最先端の生ワクチンが支給されました。その経口ワクチンは金平糖みたいで美味しかった。翌年からは日本製のドロドロのワクチンをスプーンで飲まされましたが、ソ連製が良かったなあと思ったことでした。現在は生ワクチンより安全な不活性化ワクチンが主流です。