佐野理事長ブログ カーブ

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第383回 忙酔敬語 花畔・花川界隈バス旅行

 大連休最後の5月6日の午後、神様がご褒美をくれたようにポッカリと自分だけの時間を得ることができました。そこで以前からもくろんでいた界隈旅行を決行することにしました。界隈旅行とは私の造語で海外旅行をもじったものです。海外旅行はお金も時間もかかり、この歳になると体にこたえます。それに対して界隈旅行では、近場で自分の行ったことのない所をブラリと訪れ、気の向くままに過ごすことができるはずです。幼少の頃からバスに乗って外の景色を見るのが大好きだったので交通手段は断然路線バスです。今回は麻生発・花畔行きの中央バスに乗ることにしました。最後部の右側の席に座りました。ここだと景色全体がよく見わたせます。お客さんの状況も観察できます。

 午後2時に出発。札幌市内での走行は200mごとに小刻みに停留所に止まりましたが、花川(石狩市)に入ると心地良いスピードで住宅街を走り抜けるようになりました。気のきいた喫茶店でも目につけば降りて立ち寄ろうと考えていましたが、何もないままにバスは進んで行きました。そして石狩市庁舎を過ぎると乗客はほとんどいなくなり、終点の花畔で降りたのは私ただ1人。

 そこはバス会社の営業所でバスが5,6台あるだけ。畑や遠くに住宅街が見え、はるか彼方には手稲連峰が頂きに残雪を残しているのが臨まれました。喫茶店どころかコンビニさえありません。しかたなくそのまま帰りの麻生行きのバスに乗るべく向の停留所で腰をおろしたところ、5分もしないうちに麻生行きが来ました。もちろん乗客は私だけ。運転手さんは、変な客だな、と思ったでしょう。もうすでに、麻生から来た運転手さんから変な客が降りたから注意した方がいいぞ、と申し送りをされていたかもしれません。

 また、バスは快調に石狩市内を走り出しました。ここまでの料金は400円くらい。こんなんでバス会社は採算が取れるんだろうか? と心配になりました。昔、広島の学会で郊外を走るモノレールに乗ったことがありました。景色も良く非常に快適でしたが席はガラ空きで採算についての心配がわき起こりました。あとで広島に住んだことのある人に確認したところやはり赤字経営とのこと。オレの勘は鋭いぞ、と思ったことでした。

 花川に入って間もなく若い女性の一団が見えてきました。何かイベントでもあるのか?と思ったら全員がバスに乗り込んで来てたちまち満員となりました。彼女たちは藤女子大学の花キャンの学生と判明しました。藤女子大学のキャンパスは札幌北16条キャンパスと花川キャンパスがあり、前者はイロキャン、後者は花キャンと呼ばれています。

 車内はうって変わって華やいだムードになりました。赤字の心配もなくなり、こちらの気持ちもなごみました。それからはあっという間に終点の麻生に到着。  もともとの計画ではどこか気のきいた喫茶店に入ってボンヤリする予定でしたが、これではただバスに乗っただけ。時間はまだ午後4時前。何だかスウィーツが食べたくなりました。でも近くの店ではつまらないなあ、いっそのことヘビーなタイプのアイスクリームを買って家で落ち着いて食べよう。「まいばすけっと」に寄ってみると季節限定の標示でハーゲンダッツのマルチクラシック(ラムレーズン、バニラ、グリーンティー75mlそれぞれ2個)が売られていました。さっそく購入して家で一息ついてから食べました。2,3回に分けて食べるつもりでしたが結局450mlを一気に完食。しめて996カロリー。バニラとラムと緑茶の香りのゲップが出ました。まさに「小人閑居して不善を為す」でした。