院長ブログ カーブ

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第320回 忙酔敬語 更年期からが人生だ

40歳になったばかりなのに更年期になったかどうか心配ですって?
そんな人生が終わりになったような顔をしないでください。本当の人生はこれからです。今までは子育てなど動物としての人生でしたが、それは一般的な哺乳類の生き方でした。
10年ほど前、春休みでヒマな長女に誘われてまだ雪が残っている丸山動物園に行ったところ、動物園もすいていてヒマな飼育員のオジサンがいろいろ話しかけてくれました。
2頭のカバの間に丈夫な柵が設置されていましたが、それは最近カバが増えすぎているので、カバどおしの接触を避けるためとのことでした。
「このキリンは40歳になっても赤ちゃんを産んだんですよ。でも寿命はそろそろかな」 そこで私は言いました。
「哺乳類で閉経を過ぎても生きているのは人間くらいなものですよね」
オジサンはハッとしたようにしばらく考えて、
「本当にそうですね」と感心していました。
正確に言うとシャチなどのクジラの仲間には更年期を過ぎても生きている種があるそうですが人間と同様、例外的な存在です。(でもシャチの閉経って誰が調べたんだろう?) ではなぜ閉経後も生きているのでしょう、閉経後に生きる意味はあるのでしょうか?
総合研究大学院大学の大槻久先生によると、母方の祖母が存在していると子供の生存率が高くなるとのことでした。大槻先生は数学がご専門で、中世のヨーロッパの教会に残されていた住民の記録をもとに統計学的に調査しました。その結果、赤ちゃんにとって、お母さんの存在はもちろん一番大事ですが、子育てを手伝うお母さん方のお祖母ちゃんが二番目に大事だということが分かりました。
お祖母ちゃんの年齢は今で言えばほぼ更年期相当です。更年期の女性の存在によって人類は繁栄したのです。残念ながら父方のお祖母ちゃんはそれほど貢献していないようです。現在の日本でも里帰り分娩をする妊婦さんがいるのをみても納得できると思います。
さて孫の面倒をみた後はどうなるのか? 高齢化の社会、やることはまだまだあります。大槻先生のボスである長谷川眞理子先生は私と同い年ですが、バリバリの人類学者で、若いころはタンザニアで2年間、チンパンジーのフィールドワークをしていました。しかし、共食いまでするチンパンジーのあさましさに嫌気がさし、今度はイギリスに行って野生の羊の研究をしました。そして、昨年から総合研究大学院大学の学長となってますます活躍されています。
現在、世界を見渡すと何だかきな臭いムードがただよっています。気のふれた誰かさんがいつ禁断のボタンに触れるのか心配です。
女性は生理的に戦争反対です。アリストファネスの『女の平和』では戦争に明けくれる男どもに愛想をつかした女性達がセックスストライキによって平和をとりもどします。
現在、ヨーロッパではドイツのメルケル首相が平和のために尽くしています。さらに世界各国で女性の指導者が続々と登場しています。ミャンマーのアウンサンスーチーさんは吉永小百合さんと同い年です。軟禁生活からやっと解放されましたが、現実社会はきびしく最近では人相も悪くなってきました。皆さん、更年期はとっくに過ぎていますが、戦争のない世界のために頑張っています。これからは女性に政治を託す時代となりました。