院長ブログ カーブ

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第176回 忙酔敬語 正しい歩き方

1年半履いていたスニーカーがへたってきたので買い換えました。以前は靴底のすり加減を目安にしていましたが今回はそれほど減ってはいません。店はスニーカー専門店の「アスリートクラブ」。この店ではまず足の状態を検査してから適当な靴をすすめてくれます。値段やデザインは二の次。たとえ値段は安くても一番合った商品を選んでくれます。そして足首の関節の柔軟性を測定してアキレス腱をのばして歩くように指導します。
このアキレス腱をのばすという感覚、今一つピンと来ませんでしたが、3年ほど前のビートたけしさんの健康番組でようやく腑に落ちることができました。指導した医師は膝の裏をのばすようにして歩けと言うのです。マイケル・ジャクソンのムーンウォークのように後ろ向きに歩く感覚をイメージすると良いそうです。それからは一歩一歩膝の後ろを意識して歩きました。いちいち面倒でしたがアキレス腱に集中するよりは簡単です。膝の後ろのツッパリ感が分かるからです。半年くらいでそれほど意識する必要はなくなりました。
このように歩いた後にスニーカーを買い換えに行ったところ、インストラクターと言った方がふさわしい店員さんは「足首の関節が柔らかくなりましたねえ」と驚いてくれました。そこで調子に乗って例の番組で得たうんちくを披露しました。歩き方もキレイになったと褒めてくれました。私は褒められて伸びるタイプなので嬉しくなりました。
正しく歩くと靴底が地面とすれることがなくなるので靴底の減りも少なくなり足音もしなくなります。ですから院内で後ろから音もなくスタッフに近づくと「キャッ!」と驚かれることもあり、それはそれで楽しいものです。
今回は、前回よりもさらに靴底の減りが少なくなっていたのでもっと褒められると思って意気揚々と店を訪れました。ところが店のおネエさんは顔をくもらせて「どうしたんでしょうね、アキレス腱が伸びなくなっていますよ」と言うのでガッカリ。どうも今年になってから悩まされるようになった腰痛が原因らしい。腰をかばった歩き方をしているので足にも影響が出てきたと思われます。これは気をつけなければ、と思いました。
通勤していると、ときどき近所に住んでいる患者さんや産後のお母さんに出会います。バッタリ出会わなくても歩いている私の姿を遠くから観察している患者さんもいます。
「先生、疲れてるんじゃない。背中が丸かったですよ」
これじゃイカン、と反省しました。
人間は見た目が大事です。院長としても颯爽としていなければ職員も不安を覚えますし、第一女性にもてません。いい年をしてそんなことを気にするのかと呆れるかもしれませんが、男女とも色気を失ったらおしまいです。八十を過ぎた患者さんが若さを保つために定期的に受診されていますが、いつも晴れやかな服装をしてキマッています。認知症ともまったく縁がなく、ときどきスルドイことを言っては私を楽しませてくれます。
私はもともと背中を丸くするクセがあり、カミさんや妹から注意されることがあります。それに対してスタッフのSさんはバレエを習っていて、いつも背筋をピンと伸ばしているので感心して褒めたところ、もともと姿勢が悪いので常に注意しているとのこと。
正しく歩くためには足首だけでなく上半身にも注意しなければなりません。バレエは姿勢が命なのでちょうど頭のてっぺんを上から吊されているようなイメージで過ごすことが大事だそうです。今さらバレエを習う気にもなりませんが参考にしたいと思います。