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忙酔敬語/院長ブログ

2018.4.9
第324回 忙酔敬語 働かないアリ

2月18日の日曜日、札幌市医師会医学会が開催されました。例年のとおり午前中は市民公開講座が2題。今年は2番目の講演が北大の長谷川英祐先生の『働かないアリは進化できるのか?』だったので、一般市民に紛れ込んで聴きに行きました。

長谷川先生は『働かないアリに意義がある』(メディアファクトリー新書)で一躍時の人となりました。私も興味深く思っていたのですが、怠慢にも読んでいませんでした。一般参加は無料です。参加しない手はありません。

講演直前、ステージの前で長髪を後ろに束ね雪靴を履いている汚らしいオッサンがウロウロしていました。こうした講演会には一風変わった人々が紛れ込んでいるので、そんな一人かと思ったら何と当の長谷川先生でした。フィールドワークそのものの姿。しかし、さすがは大学の先生、講演はメリハリがあって面白かった。

働きアリを観察すると3割が何もしないでボーッとしているそうです。その3割を省けばすべてのアリが働くかと思いきや、やはり何もしない3割が登場する。逆に働かないアリだけを集めると7割が働くようになる。

集団すべてのアリが働き続けると皆、疲労困憊する。そこでボーッとしているアリが予備軍として必要になるわけです。結論を言うと、ユトリのない種は絶滅するとのことでした。会社員すべてをヘトヘトにまで働かせるブラック企業は、いずれは倒産の危機に陥るという説得力のあるお話しでした。

確かに生物の進化をみても絶世をほこった恐竜は絶滅し、ボンヤリしたクラゲや亀などが延々と生き延びています。

そんなことを言っていながら、長谷川先生は、フィールドワークに参加した学生を炎天下のもとで1日に8時間以上もぶっ通しで何日も働かせるという容赦ないあつかいをしたそうです。中には血尿が出る気の毒な学生が出るしまつでした。でも、大学にはまだまだ予備軍がいるので、まっ、いいか‥‥‥。

われわれ人間をかんがみても出来るヤツ8割、出来ないヤツ2割という説があります。いくら東大といっても2割がバカなんだそうです。3流の大学でも必ず出来るのがいる。これは長谷川先生が唱えるかなり以前、私が予備校に通っていたとき古文の先生から聴きました。

そう言えば郷久先生は大学にいたとき、「大学は何をやっているのか分からない人間がいても良い所なんだけどなあ‥‥‥」とつぶやいていました。もう、35年以上も昔の頃です。さすが先見の明がありました。ユトリのない研究室では新しい発見はありません。

アリやハチを見ていると、少数の女王とおまけのオスが生殖担当、多くのメスの働きアリ(ハチ)が育児と食料の調達と防御を担当、と完全に分業が出来ていて、集団全体が大型動物の1頭ないしは1匹に相当する印象を受けます。

人間に関して心理学用語でタイプAという人たちがいます。上昇志向で過剰に活動的、いつも急いで競争的です。社会的には成功しますが、心筋梗塞などで早死にします。プロのスポーツ選手も適度な運動をはるかに超えた負荷を体にかけて壊れかけています。

長生きして子孫を残すのなら、体の3割は休ませてユトリのある生活をすべきである、と働かないアリたちは教えてくれているのでした。

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