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忙酔敬語/院長ブログ

2018.2.26
第318回 忙酔敬語 虫を食べる

朝日新聞の旬の人を紹介する欄「ひと」にコオロギの食材化を目指す徳島大准教授 水戸太郎さんが紹介されていました。

<体長2㎝強のフタホシコオロギを乾燥凍結させ、粉末に。「たこ焼きにかけるとうまいんです」‥‥。昆虫は高タンパクで、国連機関が人口増による食料危機の解決策として提言していた。‥‥‥。実験で使うフタホシコオロギなら、繁殖など飼育ノウハウの蓄積は十分。‥‥‥ただ、「食材」とは思えなかった。半信半疑で素揚げなどで食べてみた。するとエビのように濃いうまみ。「え、おいしい!」>

虫を食べる文化は日本では長野県の伊奈が有名ですが、ザザ虫などはすでに希少種で採ることさえ難しい。昆虫ではないが浜益地区の珍味ルッツも時化で海岸に打ち上げられるのを待つしかありません。昆虫自体は動物の中でもダントツに総重量は多いのですが、実際の採取となると難しい。その点、水戸先生の繁殖・飼育ノウハウは大いに期待できます。

虫は食材として安全なのか? 食物連鎖について考えると虫は底辺にいます。もし毒があるとすれば連鎖が上になるほど毒が濃縮されて危険になります。

昔、厚労省が、「バンドウイルカは水銀が多量に蓄積されているため、妊婦が食べる場合は1回80gとして2か月に1回まで」という奇っ怪なポスターを配布したことがありました。バンドウイルカは、オキアミを餌とする小魚、さらにそれを補食する中型の魚を体重あたり多量に摂取するため、日本人が口にする海産物の中ではトップの水銀量を体内に蓄積しています。キンメダイ、クロマグロ、マッコウクジラも水銀量が多いのですが、これらは1回80g、週に1回までなら安全とのこと。

オキアミは1つの種としての総重量は地球上で1番だそうです。ですからオキアミが大量に発生するところには多くの生物が集まります。アリューシャン列島にはときに超大量のオキアミが発生するため、小魚は集まるは、それを食べる魚は集まるは、空からはそれをねらう海鳥は集まるは、クジラは集まるは、それをねらうシャチは集まるはで、見渡すかぎり魚のしぶきと鳥の大群、それにクジラが飛び交い、一瞬にして視界が遮られ、何が何だか分からなくなるほどの壮観になり、アリューシャン・マジックと言われています。

というわけで、動物性の海産物で1番安全なのはオキアミです。オキアミを1度に大量に捕食する動物はナガスクジラなどの大型のヒゲクジラやジンベイザメといったおとなしくて大きなサメなどです。人間もオキアミをもっと食べれば良いのに、贅沢なもので水銀の多いクロマグロを絶滅寸前まで食べつくしています。

最近はクロマグロの養殖が成功しつつありますが、その餌を見て私はフンガイしました。何とイワシやサバを大量に与えていたからです。私は個人的にサバはクロマグロよりもうまいと思っています。寿司屋ではトロなんか食べず、しめサバなどの光り物優先です。養殖の課程でサバは少量のクロマグロの一片となりはてます。勿体ないことこの上ない!

現在、世界の人口は70億。地球がささえられる人口は100億だそうです。ですから国連は昆虫食を勧めているのです。

人類は農業によって穀物などの炭水化物を主とした栄養確保に成功しました。これからは動物性タンパク質の確保が課題となるでしょう。「ひと」の欄では興味本位で紹介された感がありますが、今後は世界規模で虫を食べる事業に取り組む必要があると考えます。

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