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忙酔敬語/院長ブログ

2018.1.1
第310回 忙酔敬語 老人性乾皮症との闘い

昨年の暮れは散々でした。11月中旬からベルトで締めつけられている脇腹が痒くなり、看護学校の講義中に恥も外聞もなくポリポリと掻きながら話をしました。学生のほとんどが女子なので、いくら半分近くが居眠りしているとはいえ失礼なことをしました。

その後、痒みはひどくなり、日中は腹部、寝ているときは背中と、状況によって痒みの部位が変動。どうも暖まると痒みが増すようで、当直のときはほとんど暖房を切っているので無事に朝をむかえることができるのですが、家にいるとマンションの下の住民が部屋を暖めるのか、夜中に急に背中が痒くなり掻きむしるハメとなりました。

痒みに対しての基本は掻かないことですが、ハイ、もう掻きません、なんて簡単にできれば苦労しません。日中は理性の力でガマンできますが夜中はほとんど無意識だから気づくと掻きむしっています。ふつう、掻くと一時的にはラクになるものですが、今回は掻いた後も痒いままなので救いがない。おまけに一番痒い場所は背中の真ん中で手が届かない。あと数㎝と腕をギリギリまで伸ばすので肩関節のストレッチにはなりますが、睡眠時間に影響をおよぼします。朝方になると室温は下がっているので、どこが痒かったのは検証不可能。爪は仕事柄短く切っているので、掻きむしっても痕はほとんどなし。

平成12年にも同様の症状が発症したため、近所の皮膚科の先生に診てもらいました。軟膏の説明書に掲載されていた病名は「老人性皮脂欠乏症」(現在は老人性乾皮症が一般的なようです)。当時、まだ五十にもなっていないので、あんまりだと思いましたが、言いつけどおりに保湿剤を塗り、入浴時の背中の垢すりをやめたところ、たちどころに痒みから解放されました。それ以来、垢すり行為はほとんどしていません。当時、韓国流の垢すりエステが流行していましたが、あれは今どうなっているんでしょう。私の背中は垢すり推奨派の人たちからすると分厚く垢が層をなしていて不潔きわまりないものかもしれませんが、一応、毎朝シャワーを浴びタオルで拭いているだけで、垢はほとんど出なく臭いとも言われません。遠慮会釈ない家族の見解なので間違いはないと思います。

アルコールは血管拡張作用で痒みを増長させるので1回目の忘年会の夜は悲惨なことになりました。そこで今後は断酒すると決心し、決心を確固たるものにするためにスタッフにも宣言しました。みんな、「またか」と、たいして相手にしてくれなかったけれど。

2回目の忘年会にはシラフで参加。盛り上がっている人々を観察して、それはそれで興味深くはありましたが、一人取り残された感がありました。このあとさらに3連チャンの忘年会が控えています。さて、どうするか?

治療はシャワーや入浴後に保湿剤を塗り、とくに痒い部位にはチョコッとステロイド軟膏をつけ加えました。そして漢方。高齢者の乾燥性掻痒症には当帰飲子が第一選択をされていますがサッパリでした。炎症を抑える黄連解毒湯を加えてもダメ。津村先生に相談したら消風散をすすめられました。「消風」には痒みを省くという意味もあります。ただし構成生薬の中に蝉退、すなわちセミの抜け殻が入っています。さらに地竜(ミミズの粉末)が良いと言われました。消風散はエキス剤だからともかく地竜はミミズの味がしました。浜益地区の珍味、ルッツというミミズの仲間を賞味したことがあるので分かります。

このおどろおどろしい漢方が奏効したのか、残りの3連チャンの忘年会ではお酒を嗜むことができました。まったくの朝令暮改でありました。

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